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コラム

記事公開日

「地熱発電の未来!!」

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 2025年6月3日(火)の日本経済新聞に「地熱発電 立地選ばず」「三菱商事など 深層部まで堀削」という題名で記事が掲載されました。日本は、世界で有数の火山が多い国です。地熱発電に適した土地は、多いと思いますが、電源構成比では、地熱発電は、全体0.3パーセントで55万kWの電気を供給してます。普及の妨げになっていたのは、高温高圧の地熱貯留層というマグマが熱した水を貯めれる層がなかなか見つからなかったことにあります。ただ、地熱貯留層を掘り当てたら、そこに設置された地熱発電所は、24時間蒸気が使えるので途切れなく発電できるメリットがあります。

 私は、日立時代に八丈島に行き、八丈島の地熱発電を見学してます。八丈島の電気は、この地熱発電所で25パーセントの電気を賄ってます。八丈島の地熱発電は、1999年に稼働し、2022年にリプレースをして、パワーアップしてます。この地熱発電で、島に住んでいる8000人に電気の一部を供給してます。八丈島を訪問した人はお分かりなりますが、島は八丈富士を中心に成り立ってます。そのため、火山地帯であり、地熱発電の適地と言えます。

 この適地の考えを覆すのが、今回のニュースです。従来は地熱貯留槽にあたらない場合は、地熱発電の適地ではないと判断し、その地での発電事業を諦めてました。従来は1000メートルから1500メートルを掘って、高温の熱を取り出すやり方でしたが、今回の技術では、2000メートル超の地層から熱を回収する新技術を使うことにより、火山地帯と呼ばれる温泉地や国立公園以外でも地熱発電所が作れることになります。これにより、従来の問題点である温泉の枯渇がなくなり、地熱発電の設置を進めやすくなります。

 三菱商事が出資するアメリカのクエイズ・エナジー社が、次世代の地熱発電設備を2028年にアメリカで初稼働し、自社で売電をする予定です。ドリルの代わりに核融合の加熱に使う高周波の電磁波(ミリ波)を発生させる装置を使い、従来難しかった地下3000メートルから2万メートルの岩盤を掘削します。クエイズ・エナジー社の方式は、亀裂を入れた地下の岩盤に水を注入し、熱を回収するやり方です。直径20センチメートルの井戸1本で発電能力は、2.5万キロワット~4万キロワットと呼ばれてます。従来の地熱発電よりも最大10倍の発電量を実現します。三菱商事としては、アメリカのクエイズ・エナジー社の技術を使い、データセンターの近接地に地熱発電所を建設することを考えてます。

 三菱商事の他に東洋エンジニアリングが、2025年にインドネシアで、地熱発電の新技術として、地下に配管を取り付けて、熱水を取り出す「クローズドループ」方式の実証を始めます。2026年~2027年には、現地の従来型地熱発電の置き換え用として、新技術の「クローズドループ」方式を使う計画です。この方式は、地上から水を加えて、循環させるので、温泉地の近隣でも温泉水が枯渇する心配がいらなくなり、温泉地の近隣でも設置しやすくなります。

 経済産業省によると、地熱発電の発電コストは、1キロワット時あたり、16.1~16.8円と陸上風力16.3円と同等の水準にあります。太陽光発電や風力発電の様に天候によって左右されずに発電できるため、設備利用率は83パーセントと高く、耐用年数も他の再生エネルギーを上回ってます。

 楽しみな技術が出てきましたね。火山が多い日本は、新地熱発電で電気の供給量を増やせれば、増えつつあるデータセンターや国内に回帰している工場への電気の供給に役に立つと思います。また、海外から輸入されてくる石油や天然ガスに頼らないエネルギーは、日本にとって大きな意味があるものと思います。皆さん、明るい未来がすぐそこまで来ています。強い日本を作りまし

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