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歯科医院の電気代を安くする方法は?高騰の背景や節電のコツ、電気プランの見直しまで解説

歯科医院の経営において、電気代は毎月発生する固定費のひとつです。診療に必要な医療機器や空調、照明など、院内では多くの設備が稼働しており、光熱費の負担は決して小さくありません。
歯科医院の電気代は月額6万円程度が目安とされていますが、使用する機器の種類や稼働時間によってはさらに上振れすることもあります。近年の燃料価格の上昇も加わり、経費に占める電気代の割合は年々大きくなっています。
価格高騰の理由
電気代の上昇は歯科医院に限った問題ではありません。 ただ、医療施設は一般的な事業所よりも電力消費が多い構造になっており、その影響をより強く受けやすい側面があります。背景にある要因を確認しておきましょう。
燃料価格の変動
電気料金は、発電に使う燃料のコストと連動しています。日本の電力供給は、天然ガスや石炭、石油など化石燃料への依存度が高く、これらの国際価格が上がると電気料金にも反映される仕組みです。
近年は、世界的なエネルギー需要の増加に加え、地政学的リスクによる供給不安が続いています。請求書に反映される燃料費調整額が上昇傾向にあるのも、こうした背景によるものです。円安の影響で輸入コストが膨らんでいることも、料金を押し上げています。
経費に占める比率
歯科医院の経営において、電気代は家賃や人件費に次ぐ固定費として積み重なります。診療機器のリース料や材料費に目が向きがちですが、毎月発生する光熱費も経営を圧迫する要因のひとつです。
仮に月額6万円とすると、年間では70万円を超える支出となります。この金額が削減できれば、設備投資や人材確保に回せる原資が生まります。 経費の中でも削減しやすい項目として、電気代の見直しに着手する医院が増えています。
契約区分の違い
電力契約には、一般向けの低圧電力と大規模施設向けの高圧電力の2種類に大別されます。多くの歯科医院は低圧ですが、設備の稼働状況によっては高圧区分での契約が適していることもあります。
それぞれ基本料金や単価の仕組みが異なるため、自院の現状を知ることが、プラン見直しの出発点になります。
電気代を押し上げる要因
電気代が高くなる理由は、外部の価格変動だけではありません。院内での設備の使われ方にも、コストを増やす要因が潜んでいます。それぞれの設備の特性を踏まえて整理しましょう。
医療機器の使用
歯科医院では、診療用ユニット、デジタルレントゲン、口腔内カメラ、滅菌器など、多様な医療機器が日常的に稼働します。これらの機器は 待機状態でも電力を消費するものが多く、電力消費の増加につながります。
特に注意が必要なのは以下の機器です。
- 滅菌器(オートクレーブ):加熱・加圧処理のため電力消費が高く、1回の稼働で数百Wh以上消費する
- 歯科用コンプレッサー:診療中は断続的に稼働し、モーター系機器の中でも消費量が多い
- デジタルレントゲン装置:撮影時の瞬間消費は高くないが、常時通電している機種も多い
電源を切る運用ルールを設けるだけでも、中長期で見れば大きな節電効果が期待できます。
空調の長時間利用
歯科医院では、患者への感染リスクを下げるために徹底した換気と温度管理が求められます。院内全体を常に一定の環境に保つ必要があることから、空調は稼働時間が長く、院内設備の中でも特に電力消費の大きな比重を占めています。
電気代に直結しやすい項目だからこそ、患者数の増減に合わせて運転状況を調整するなど、運用を定期的に見直す習慣が大切です。
院内照明の点灯
診療室の照明は、手元の明るさを確保するために長時間点灯します。待合室や廊下、トイレなども含めると、院内の照明数は多くなります。
照明も空調と同様、電力消費量の多い設備です。照明の種類や点灯管理の方法を見直すだけで、コスト削減の効果を得ることができます。
医院内の節電対策
電気代を下げる方法は、電力プランの変更だけではありません。日常の運用を工夫するだけで、消費電力を抑えられる場面は多くあります。ここでは、現場ですぐに着手できるヒントを紹介します。
空調の温度設定
空調の設定温度を1℃変えると、消費電力は約10%変化するとされています。夏場は26〜28℃、冬場は20〜22℃を目安に設定し、外来の少ない時間帯は一段階調整するだけで、年間の消費量に差が出ます。また、フィルターの状態も消費量に影響します。
具体的な空調管理のポイントは、次のとおりです。
- 設定温度の適正化:夏28℃・冬20℃を基準に、時間帯ごとの運用ルールを設ける
- フィルター清掃の定期化:月2回程度の清掃で稼働効率が維持され、無駄な電力消費を防ぐ
- 外気との温度差を抑える:患者の出入りが多い入口付近では、ドアの開閉を最小限にするよう意識する
こうした日常の運用管理の積み重ねが、空調効率の維持と電気代の抑制につながります。
LEDへの交換
白熱電球や蛍光灯をLEDに交換することで、照明の消費電力を50〜80%程度削減できます。初期費用はかかりますが、交換頻度が減るため管理コストの削減にも有効です。
歯科の診療室では演色性(色の見え方を正確に再現する性能)が高い照明が求められます。LED照明には演色性の高い製品も多く販売されており、医療現場の用途にも対応しています。待合室や廊下など、まずは診療に直接影響しない場所から順次交換していくと、導入のハードルが下がります。
清掃の習慣化
意外と見落としがちなのが、清掃による節電効果です。エアコンのフィルターはもちろん、照明器具や医療機器の通気口に溜まったホコリは、想像以上に稼働効率を下げ、消費電力を増大させます。
こうした細かな汚れを放置せず、清掃をルーティン化することは、設備の性能低下を防ぎ、長期的なコスト増を抑える最も有効な手段です。月次のチェックリストを作成してスタッフ間で管理を共有し、メーカー推奨のメンテナンス周期に合わせたケアを習慣化しましょう。
契約内容の再検討
節電対策と並行して取り組みたいのが、電力プランの見直しです。現在の契約内容が自院の使用実態に即しているかを確認するだけで、毎月の固定費を削減できる可能性があります。再検討時のポイントを整理しましょう。
新電力の比較
2016年の電力完全自由化により、大手電力会社以外の新電力も選択可能になりました。 数ある中から自院に合ったプランを選ぶことで、月々の支出を無理なく抑えることができます。
比較の際に確認しておきたい点は以下のとおりです。
- 料金プランの構造:基本料金と従量料金のバランスが自院の使用量に合っているか
- 燃料費調整額の扱い:上限の有無によって、燃料価格が上昇した際の料金の振れ幅が変わる
- 供給エリアの対応:対象エリア外の会社を選んでも契約できないため、事前確認が必要
料金のシミュレーションは、各社のWebサイトや比較サービスで確認できます。
解約時の条件
切り替えを検討するにあたって、事前に確認しておきたいのが現在の契約内容です。切り替えの手続きは新しい会社にお任せできるのが一般的ですが、会社ごとに細かなルールは異なります。
特に注意したいのが、 セット割引の解除による影響や違約金の発生です。電気の解約が他のサービスにどのように影響するのか、契約全体を見渡しておく必要があります。まずは契約書や利用規約に目を通し、現状の条件をあらかじめ把握しておきましょう。
サポート体制の有無
トラブル時の対応力も重要な要素です。診療中に万が一の事態が起きても、迅速にサポートが受けられる体制があれば安心できます。
長期的な実績がある会社や、災害対応に定評のある会社を選ぶことはもちろん、法人向けの専任サポートがあるかどうかも確認しておきたい点です。契約前の相談から運用開始後のフォローまで、一括で任せられるパートナーを選びましょう。
まとめ
歯科医院の電気代は、燃料価格の変動や医療機器の稼働、空調や照明の長時間使用など、複数の要因が複雑に絡み合っています。日常の運用改善と電力プランの見直しを組み合わせることで、月々のコスト負担を抑えることができます。
自院の使用状況を把握し、改善できる箇所から順番に手をつけていくことが、無理なく経費を管理していく上での現実的な進め方です。電気代の削減を検討する際は、アドバンス・キドにお気軽にご相談ください。お客様の使用状況に合わせた最適な電力プランのご提案と、削減後のコストの活用方法まで、幅広くサポートいたします。

