記事公開日
「揚水発電所、再稼働や新設!!」

2025年6月13日(金)の日本経済新聞に「揚水発電所、再稼働や新設」「再エネ普及を下支え」という記事が掲載されました。揚水式水力発電は、1970年代に原子力発電等で夜間に余った電力を使って、水を吸いあげ、昼間の電力がひっ迫した時に水力発電として、水を落とすのを目的に造られてきました。イメージとしては巨大な蓄電池です。揚水発電所は、日本では40か所以上あり、総出力は2,600万KWになりますが、設備利用率は3パーセントと非常に小さいです。アメリカやドイツの設備利用率が10パーセントなのに対し、非常に低い利用率です。
現在は、再生可能エネルギーが普及しつつあり、昼間の電気が余る傾向にあり、この電気を利用して、昼間に水をくみ上げ、通勤時間や夜の帰宅時間に電力が逼迫しないように、水を落として、電気を発生させ、調整弁の役割として、揚水発電を使うことを各地域の電力会社が検討をしだしてます。
私が日立製作所の鹿児島所長時代に宮崎の小丸川水系に九州電力が揚水発電所を作っていました。九州電力は玄海原子力発電所と川内原子力発電所の2か所に原子力発電所を持っております。原子力発電所の発電量は昼間も夜間も同じなので、夜間に余る電気を小丸川に運んで、水をくみ上げていました。
関西電力の揚水発電は、奥吉野発電所1,2号機、奥多々良発電所3,4号機の4か所あります。2025年度から順次改修する予定です。奥多々良発電所の3号機は、2019年から休止状態でしたが、再稼働をする予定です。
電力市場の電気代が高くなる原因は、例えば電力が逼迫し、休止していた火力発電所を動かす等のことが起きると、市場が予測していない事態としてとらえられ、電気代が高くなる傾向にあります。電力の供給が安定していることが、市場の電気代の価格安定に貢献します。
電気代を安くして、安定した電気を供給をすることが、日本国としては、非常に大事になります。経済の安定に貢献し、海外からの投資も活発化すると思います。電気は、あらゆる事象を利用して作るべきだと思います。九州には、TSMCをはじめとする巨大工場があり、北海道にはラピダスをはじめとした巨大工場があります。日本各地の電気の消費は莫大になりつつあります。データセンターも電気の消費が莫大です。日本は、国民が使用する電気だけでなく、これらの企業の電気も賄っていかないといけません。
電気を効率的に使用する工夫が大事になります。揚水発電は蓄電池の役割です。これからの日本は、揚水発電だけではなく、他の方法でも蓄電する方法を考えないといけません。電気を貯めておいて、好きな時に電気を使うことが必要になります。電気自動車がその役割を担えると宣伝している自動車メーカーもあります。今が過渡期なのかもしれません。蓄電する方法を考えていきましょう。