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原油の代替エネルギーを考える。

2026年3月24日の日本経済新聞に「海峡封鎖、工場・運輸に波及」「重油・軽油、元売り供給絞る」「火力抑制や船減便」「アメリカ産原油の調達模索」というタイトルの記事が記載されました。記事の内容は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響が企業の工場操業のほか、船・バスといった公共交通機関などの事業活動にも波及をしだしているということです。中東への依存度が大きい原油から重油や軽油の調達が難しくなる見通しです。原油精製によってできる製品は幅広く、温浴施設など消費者に身近な分野にも「封鎖影響」が広がっています。3月中旬、JFEスチールは重油不足から西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)にある火力発電設備1基を停止しました。高炉から出るガスと重油で発電してます。ここにきて「油価が上がり、自家発電よりも電力を買った方がコスト減になるのでは?」と関係者は考えてます。また、山芳製菓(兵庫県朝来市)も重油が調達できなくなり、ポテトチップス「わさビーフ」など主力製品の生産を一時停止しました。石油を精製してできる重油や軽油は工場の設備や発電所のほか、船舶、温浴施設など幅広い事業活動で使います。
原油からできる重油の比率は約16パーセント、軽油は25パーセントになります。この重油の調達価格が原油価格に連動して高くなっている他、流通量自体が減っています。元売り各社は海峡封鎖が長引けば原油不足が深刻になることから、販売先を選んで出荷量を制限し始めました。
また、石油元売り各社は、アメリカのアラスカ産の原油を中長期的に安定して調達する必要があると認識を示しました。日本は輸入する原油の9割以上を中東に依存します。ホルムズ海峡の封鎖で元売り各社は、中東の原油を調達するのが難しくなり、別調達ルートを模索してます。ホルムズ海峡の封鎖の危険性は認識していた筈なのに、何故、世界各地での分散調達が進まなかったのか、何故、石油の代替エネルギーへの移行が進まないのか。
今回は、原油の代替について、考察してみたいと思ってます。
目次
- 原油の代替とは
- 世界の状況について
- 日本の状況について
- 中小企業の原油の代替に対応ついて
- アドバンス・キド株式会社からのご提案
1. 原油の代替とは
石油の代替エネルギーは、単一技術ではなくバイオ燃料、合成燃料、水素の利用を政策的に削減策を組み合わせることで、輸送・産業・家庭の各分野で石油依存を低減することが考えられます。特にガソリンの代替燃料として、バイオエタノールが脚光を浴びています。バイオエタノールは、大豆、トウモロコシ、さとうきび等のでんぷん質や木質系のセルロース等を糖化し、アルコール発酵、蒸留して製造される。ガソリンに混合または代替として利用され、一般にはバイオ燃料と呼ばれてます。
また、最近注目を集めているのが、液体の合成燃料「e-fuel(読み方:イーフューエル)」です。e-fuel は、二酸化炭素と水素を合成して製造される燃料です。2040年のガソリン車の割合が依然として全体の84%を占めると予想されている自動車業界において、e-fuelの期待度の高いエネルギーとなっています。
2. 世界の状況について
世界各国の電源構成は、エネルギー資源の有無や、政策の違いなどそれぞれの事情に沿って組み立てられています。石炭や天然ガスなどの化石資源が多いアメリカや中国は、火力発電が6~7割近くになっています。
また、ヨーロッパでは陸続きである利点を生かして、電力網をつなげ、一部の国で電力が不足した場合も他国が供給するという仕組みを確立し、国家の枠組みを超えた電源構成を組み立てている国もあります。自国でできるベストな電源構成の組み合わせを追求し続けることは、エネルギー資源の確保、そして電気の需要に応えていくために非常に大切な考え方だと言えます。 世界各国では、エネルギー政策と産業政策の一体化が進んでいます。
たとえば、EUでは、クリーンエネルギー技術の生産拡大のための支援策を盛り込んだ「ネットゼロ産業法」(2024年2月)を策定し、域内のクリーン産業支援を強化しています。電力インフラと通信インフラを効果的に連携させることを「ワット・ビット連携」と言います。「ワット・ビット連携」で電力系統と通信基盤を一体的に整備し、最適な社会基盤を築くことを目的としています。こうした取り組みの背景として、AIの活用などによるDXの進展にともなってデータセンターが急増し、電力需要の大幅な増加が見込まれることがあります。現状では、データセンターはデータ消費地である都市部近郊に集中しており、このままでは需要の増加による電力のひっ迫が懸念されます。
3.日本の状況について
再エネは、化石エネルギー以外のエネルギー源のうち、永続的に利用できるものを用いたエネルギーであり、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス等が挙げられます。日本の再エネの導入拡大に向けた取組は、「非化石エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(昭和55年法律第71号)」に基づく石油代替政策に端を発し、日本の一次エネルギー供給に占める石油の割合は、1973年度の75.5%から、近年では40%以下の水準となっています。さらに、2012年7月のFIT制度の開始以降には再エネの導入が急速に拡大し、2023年度の電源構成に占める再エネの割合は、22.9%に達しています。
原子力は、第7次エネルギー基本計画の記載にもあるとおり、燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで発電が維持できる準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と技術自給率を有する自律性が高い電源です。また、他電源と遜色ないコスト水準で変動も少なく、天候に左右されず一定出力で安定的に発電可能な脱炭素電源です。世界的に見ると、2024年1月時点で、日本は米国、フランス、中国に次ぐ、世界で4番目の原子力発電設備容量を有しています。
また、日本は世界で初めての水素基本戦略を2017年12月に策定しました。2020年、エネルギー基 本計画において、初めて電源構成の1%程度を水素・アンモニアとすることを目指すこととしました。2023年、6年ぶりに水素基本戦略を改定。技術の確立を主としたものから、商用 段階を見据え、産業戦略と保安戦略を新たに位置づけました。2024年、「水素社会推進法」が通常国会にて成立。低炭素水素等の導入拡大に向けた規制・支援一体的な施策を講じていくことになりました。現段階では、水素やe-fuelを使った発電や車を動かすエネルギーとしては、小さい存在ですが、今後は主流になる可能性を秘めてます。
4.中小企業の原油の代替に対応について
なんとなく、世界は、二酸化炭素と水素を合成して製造される合成燃料が進むべき道のような感じがします。水素は、保存が難しく、二酸化炭素と合成して、液体にするのは良いアイデアだと思います。私が大学に在学していた時に広島大学の先生の講義で水素吸蔵金の話をしました。当時は広島大学とマツダの共同研究で水素の出し入れをいかにするかを研究してました。亜鉛のような金属に水素を含ませて、持ち運び、第知れを自由にする研究でした。素晴らしい技術だと思いましたが、30年以上経っても日の目をみていないので、実用化には向いていなかったかもしれません。
水素を安く作る方法としては、ある種の金属を水と直接反応して水素を発生させる方法がまず考えられます。アルカリ金属のリチウムLi、カリウムK、ナトリウムNaやアルカリ土類金属のカルシウムCaは水にポチャンといれるだけで、ぶくぶくと水素が発生します。触媒も不要です。ただし、できた水素が反応熱によって発火してしまうことがあるので、水素を取り出すなら、酸素のない条件で行う必要があります。マグネシウムMgやアルミニウムAlは冷水とは反応しませんが、熱水や、水蒸気とは反応して水素を出します。Mgは鉄触媒を表面に付着させると、冷水でも水素を発生させることができます。このように発生させた水素と二酸化炭素を組み合わせて、液体化すれば、石油の代替として、期待が持てるようになると思います。中小企業としては、e-fuelが普及する前提で、e-fuelが使える機械の準備をし始める時期だと思います。日本に沢山ある水と大気中に過剰にある二酸化炭素を使うのが、良いと思います。
5.アドバンス・キド株式会社からのご提案
ホルムズ海峡の封鎖の影響は、電気代にも来ています。ただ、燃料調整費の上がり具合は、電力会社の各社で違います。この際、きちっと上がり具合を見きわめて頂き、電気料金の見直しをしてください。
そして、削減できた費用の一部を使って、代替エネルギーの対応を考えて頂けたらと思ってます。10年後にはデータセンターが増え、半導体関連の工場が増えることが予測されます。原油や天然ガスでの発電は続くと思われますが、電気が逼迫する危険性があります。そのため、e-fuelによる自家発電、特定地域での発電を模索する動きをした方がよいのでは??と思ってます。当座の対応としては、太陽光発電を屋根や屋上に設置することから始めるのがよいと思います。太陽光発電についても、昨年積水化学が関西万博のバス停の屋根に設置したペロブスカイト型太陽光発電の設置を考えると良いと思います。ペロブスカイト型太陽光発電は、従来の太陽光発電と比べて、圧倒的な軽さ、日本国内で入手できるヨウ素を原料にした太陽光発電です。もうしばらくすると普及しだすと思います。
世界情勢に影響される日々ですが、明るく前向きに進んでいきましょう。

