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「太陽光発電を守る闘い!!」

2025年5月18日(日)の日本経済新聞に「太陽光発電を守る闘い」「空中に浮遊するチリや泥棒、ロボット、AIで対抗」という内容の記事が掲載されてました。太陽光発電は、耕作放棄地や放置された山林、ビルの屋上などに設置すれば、未利用地が発電所に変わるということで、全国に普及しました。温暖化ガスの二酸化炭素を排出しないエネルギー源として、次世代エネルギーとして普及しつつあります。ただ、設置すれば、あとは、ある程度の時期まで太陽の光が降り注いで自動的に発電してくれるかと思うと、そうではありません。
太陽光発電の一番の敵は、空中に浮遊しているチリです。中国大陸から飛来する黄砂や花粉、乾いた土など太陽光パネルの表面を覆うと、発電効率が落ちます。太陽光パネルの表面の汚れなどで発電効率が毎年、下がっているのが現状です。今後、地球温暖化が進行し、日本に飛来する黄砂が増える可能性があります。
太陽光パネルの表面をきれいに保つ方法として、ロボットを活用する方法が検討されてます。香川大学発のスタートアップ未来機械(高松市)が2020年に開発したロボットは自動で動き、パネルに密着させたブラシを回転させて砂や花粉を取り除きます。水で汚れを洗い流すモデルもあります。
太陽光発電の敵は、自然だけではありません。作った電気を運ぶ金属ケーブルの窃盗が日本で後を絶たない状況です。警察庁によると2024年に約7,000件の被害が確認されました。前年比で3割以上の増加です。主に夜間に発電設備に忍び込み、ケーブルを切断するなどして盗み出してます。ケーブルが無くなれば、電気を送れないのはもちろん、流れる電気がショートして、火災を起こす事例を報告されてます。山地の発電施設から山火事が起きる懸念も出てきてます。
日本政府は、この太陽光発電の施設を守るために、ドローンとAIを活用して空から見張るシステムの検証に取組みます。2024年には、KDDIが1人のオペレーターで3機のドローンを使い、夜間の警備の実証実験に成功しました。ドローンが赤外線カメラで撮影した画像をAIが分析し、暗闇に隠れた不審者を炙り出します。
今後の太陽光発電の施設の設置は、保守しやすい街中の方が適しているのかもしれません。窃盗対策については、現在研究中の無線送電を採用したらよいかもしれません。初期投資はかかるかもしれませんが、保守費用が安くなります。通信の世界では当たり前になった、無線ですが、電気の世界ではまだ一般的ではありません。
上記のことを考えると、太陽光発電はまだ過渡期の状態です。電気を安定供給するためには、もう一段、進歩しないと厳しいです。科学の進歩は早いので、何年かあとには、ペロブスカイト型太陽光発電が主流になり、無線で電力が伝送され、街中にある電柱や電線がなくなっているかもしれません。電柱の代わりに木を植えて、緑豊かなスッキリとした街が実現できると、日本の未来も面白くなります。皆さん、明るい未来を目指して、日々を楽しみましょう。