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「国産EV電池 瀬戸際!!」

今週も電池についてです。2025年5月10日(土)の日本経済新聞に「国産EV電池 瀬戸際 日産断念、トヨタは延期」という題名で電池つくりが予定通り進んでいない内容の記事が記載されてました。日産自動車は、営業不振から福岡に建設する予定だった電池工場を断念するに至りました。新工場で製造する予定だった電池は、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池で、従来のリチウムイオン電池の生産コストを3割減らす計画でした。電池への投資が日産の投資額が約1,533億円で経済産業省から最大約557億円を受け取る計画でした。補助金があっても業績不振で投資余力が乏しく、工場建設を断念するに至ったとのことです。一方、トヨタも福岡で工場の建設を決めていたが、建設を延期にすることに決めました。トヨタは、次世代EVに搭載する電池を製造する計画でした。
相次ぐ、電池製造の断念や延期は、日本の自動車メーカーの成長戦略のみならず、国が掲げる国産電池の供給網の整備にも大きな影響を与えます。経済産業省は2030年までに蓄電池の国内生産能力を年150ギガワット時に増やす目標を掲げてました。政府の後押しもあり、国内の生産基盤は目標まであと少しになる120ギガワット時まで確保することができましたが、日産の断念により、ハードルが上がりました。個人的には、電池は、国家プロジェクトで研究して実施した方が良いと思います。昔、鉄は国家なりということで、日本の人的資源を鉄生産に集中した時期がありました。また、半導体も国家プロジェクトで各メーカの研究者が集まって共同研究をした時期がありました。電池も同じ道を考えても良いと思います。電池競争は負けれない状況です。今こそ、日本国の誇りをもってプロジェクトを推進し、他国にまねができない技術で世界を驚かさないといけません。日本は、技術者がたくさんいて、木々が豊富で、教育環境も良い、治安も安定しているという他国から人気がある国を目指すべきです。内側にシュリンクしてはダメです。
日本の大本命は、全固体電池の生産です。現在は、中国が液体のリチウム電池を生産してますが、液体電池は発火の危険性が常に付きまとう電池です。固体式は発火の危険性が液体電池よりも少なく、急速充電に向いてます。この固体電池の研究をしている会社は、トヨタ、日産などです。現状のリチウムイオン電池のエネルギー密度は、限界に達しています。そのため、リチウムイオン電池を搭載したEVは航続距離が短いです。全固体電池では、エネルギー密度がリチウムイオン電池の3倍になります。エネルギー密度が大きくなることで、EVの航続距離は飛躍的にのびることになります。また、全固体電池は従来のEVバッテリーよりもサイズが小さくなるため、車両重量が軽くなり、電費性能が向上し、リチウムイオン電池に必要な冷却機構がいらなくなります。
今は苦しくても、日本は、上記の様な全固体電池の開発とペロブスカイト型太陽光発電に力を入れるべきです。電池とシート型太陽光発電システムで先行すれば、魅力的な国として、再び、活気が出てきます。皆さん、未来のために挑戦しましょう。