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AI特需が招くアメリカ、電気代値上げ!!

2025年9月20日の日本経済新聞に「AI特需が招くアメリカ、電気代値上げ」、「データ拠点急増で投資負担」「電力不足、日本でも懸念」というタイトルの記事が掲載されてました。記事の内容は、アメリカの大手電力会社が電気代の値上げを申請していること。民間調査で、2025年前半にアメリカ国内で値上げを申請した業者は約30社に上るとのことです。災害対策の電力インフラ更新に、人工知能(AI)の普及による電力需要の増加が重なり、送配電網や発電所の投資が急増した影響で、家庭や企業に負担が生じています。アメリカのデータセンター建設に伴う電気代の値上げの現象は、日本でも同様な動きが広がる可能性が大いにあります。
今回は、データセンターの拠点急増に伴う電気代の影響について話をしたいと思います。
目次
- データセンターの状況について
- アメリカのデータセンターの状況について
- 日本のデータセンターの状況について
- データセンター急増による電気代の影響について
- 中小企業の対応について
- アドバンス・キド株式会社からのご提案
- データセンターの状況について
データセンターは、サーバやネットワーク機器を安全かつ効率的に設置・管理するために設計された専用施設です。内部にはサーバーラックや高速回線、冷却装置、大容量電源などが完備されてます。近年、クラウドサービスの普及や生成AIの発展に伴い、AI処理に特化した高性能GPUを備える「AIデータセンター」も登場してます。こうしたインターネット活用の拡大により、データセンターは企業のデジタル変革に欠かせない存在となってます。
データセンターは、世界中で普及が進んでおり、総務省の報告によれば、2024年3月時点でアメリカには、5,381か所、欧州には2,100か所、日本には219か所のデータセンターが存在してます。市場規模はも2020年に新型コロナウィルス感染症による工事の延期やサプライチェーンの混乱などが影響して一時期減少したものの、現在は安定した成長を続けてます。
2.アメリカの状況について
世界最大のデータセンター集積地として知られるアメリカのバージニア州でで9月2日(火)、州内の電力事業を担うドミニオン・エナジーが申請した電気代の値上げの是非を議論する公聴会が始まりました。燃料費や基本料金などの値上げを求める内容で、認められれば2026年から標準家庭の電気代が月8.5ドル、2027年からはさらに2ドル上昇する予定です。値上げの理由のひとつとして指摘されるのが、データセンター新設による電力需要の急拡大です。データセンターは、通信速度サービスの品質を左右するため、大都市周辺に集まりやすい傾向にあります。バージニア州は、首都ワシントンから距離が近く、2010年代に州政府が事業者向けの税制優遇を導入し、GAFAなどの巨大IT企業が相次いで進出しました。ドミニオン・エナジーによると、管内のデータセンター向けの電力契約は、2024年末時点で計画中も含めて40ギガワットと直近半年でほぼ倍増しています。局所的に電力の需要が急増したことで、電気を届ける送配電線や変電所の整備が間に合わず、電力不足が深刻になってます。管内にはデータセンター事業者が電力契約できるまで7年待ちになっている地点もあります。バージニア州だけでなく、電気代の値上げを模索する動きはアメリカ全土に広がりつつあります。
3.日本の状況について
データセンターによる電力不足は、日本でも都市部で顕在化しています。電力広域的運営推進期間の集計では、国内のデータセンターの消費電力は2034年までの10年間で15倍の440億キロワット時に増加する見通しとのことです。千葉県の印西市や大阪府北部では、データセンターの集積地が生まれてます。東京電力ホールディングスや関西電力は需要増に対応するため、変電所の新設や増強を計画しています。各社の投資の原資となるのは、小売会社を通じて企業や個人から電気代の一部として徴収している「託送料金」になります。託送料金は、電気代の3割を占め、電力会社は設備投資などをもとに定期的に託送料金を見直しています。2028年度には全国の託送会社(東京電力パワーグリッド株式会社や関西電力送配電株式会社など)全10社で値上げを計画しており、設備投資が増えれば、さらなる電気料金の上昇につながります。
4.中小企業の対応について
北欧諸国では、冷涼な気候を生かして、データセンターの誘致を積極的に進めてきましたが、予想外の消費電力問題により、データセンター建設を制限する事態が起きています。電気の供給が足りなくなると、停電する事態も想定しないといけなくなります。電力供給が一時的に途絶えると、サーバに保存されているデータの一部にアクセスできなくなる可能性があります。また、十分な電力が供給されていない場合には、一部機器が停止し、データセンターの稼働率を下げる要因になることもあります。こうした状況を防ぐため、多くのデータセンターではバックアップ電源や冗長化構成が整備されており、可用性が維持されるように配慮されています。
大手の会社が進めているデータセンターの建設で、電気の供給と電気代の高騰の影響を受けるのは、その管内の中小企業と住民です。
特に中小企業は、停電をいかに防ぎ、電気代をいかに安く入手するのかを考えなくてはいけません。
5.アドバンス・キド株式会社からのご提案
データセンターをはじめ、電気をつかう要因は、データセンターの他、熊本のTSMCの半導体工場、北海道のラピダスの半導体工場など、多数あります。特に大都市圏と九州と北海道は、将来、電気代が逼迫する事態が起きることを想定して、対応しないといけません。まずは、今の電気代を抑えるため、電気代の見直しをしてください。アドバンス・キド株式会社は、無料で現時点の電気代が削減出来るのか、出来ないのか、シュミレーションをすることができます。電気代は、定期的に見直しをすることをお勧めします。削減できれば、対策費を捻出することができます。併行して、企業の財産であるデータを守るため、クラウドでのデータ保管、自社にサーバがある場合は、無停電電源装置をコンセントとサーバの間に設置してください。停電以外にサイバー攻撃に対応しないといけないので、両方の対策が出来ているデータセンターでの保管は有効だと思います。ただ、データセンターと自社をつなぐネットワーク機器等の通信機器の二重化や電源の二重化などを考える必要があります。
上記のように、将来起こりうる現象に対し、対応策を考える必要があります。現在、アメリカで起こっていることは、将来日本でも起こりうることです。参考になると思います。情報収集をして、将来に備えましょう。
以 上