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コラム

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原子力発電所について

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 2025年11月22日の日本経済新聞に「エネルギー政策 再起動」「柏崎再稼働、新潟県知事が容認」「脱炭素・電力安定へ前進」というタイトルの記事が掲載されました。記事の内容は、福島第一原子力発電所の事故以来止まっていた日本最大の東京電力ホールディング柏崎刈羽原子力発電所6号機、7号機の再稼働について、新潟県の花角英世知事が2025年11月21日に容認すると表明したとのことです。これにより2025年度内の6号機の再稼働の目処が立ちました。実現すれば、東京電力としては、福島第一原子力発電所の事故以来、初の原子力発電所の稼働であり、首都圏の安定した電力供給に繋がります。ただ、日本国民の原子力発電所への不信感が拭えたわけではありません。今後も様々な問題をクリアしないと、ベースロード電源の電源構成の20パーセントを賄うのは、厳しいと思います。
 今回は、原子力発電所について、考察してみたいと思ってます。

目次

  • 原子力発電所について
  • 世界の原子力発電所の状況について
  • 日本の原子力発電所の状況について
  • 中小企業のサイバー攻撃に対策について
  • アドバンス・キド株式会社からのご提案

 1.原子力発電所について

 原子力発電の燃料は、海外から輸入されてくるウランです。ウランは、石油や石炭と違い、世界各地に分布してます。ウランはエネルギー密度が高く、石炭や石油と同じ量の電力を作るのに桁違いの小量で発電できます。このため、輸送や貯蔵が便利であるという特徴があります。ウラン燃料を一度、原子炉の中へ入れると、1年間以上は燃料を取り替えずに発電できます。このように原子力発電は、燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年に渡って国内保有燃料だけで電力の生産を維持することができます。そのため、原子力発電は、燃料価格の変動による影響を受けにくい特徴を持ってます。
 また、原子炉にはいくつかのタイプがあり、日本では、アメリカで開発された「軽水炉」タイプを使ってます。軽水炉タイプは、沸騰水型炉(BWR)と加圧水型炉(PWR)の2種類があります。沸騰水型は、原子炉圧力容器に入っている燃料が核分裂することにより、熱が発生し、周りの水が熱せられます。すると水は蒸気になり、そのままタービンに送られて発電機を回します。加圧水型は、原子炉圧力容器で温めた水を沸騰水型よりも高い圧力で一次系統の配管を循環します。そして、この高温・高圧の水から熱だけを蒸気発生器で二次系統の配管を流れる水に伝え、蒸気となったところで、タービンを回します。日本では、沸騰水型は、日立と東芝、加圧水型は、三菱重工が採用してます。事故があった福島第一原子力発電所の原子炉タイプが沸騰水型炉であったため、沸騰水型炉の再稼働に対して、厳しい審査が続いてます。

 2.世界の原子力発電所の状況について

 運転中の原子力発電所で一番多い国はアメリカで93基で、総出力mが約10,132万KW(キロワット)です。二番目に多いのは、フランスで56基で総出力が6,404KW(キロワット)です。三番目に多いのは、中国で、その次が日本になってます。また、世界では原子力発電所を建設したり、計画したりしている規模は、162基(2024年1月時点)です。特にインドや中国は、電気の需要を賄うために、原子力発電所の建設や計画を積極的に進めてます。
 その他、生成AIの普及によるデータセンター等の需要増を背景に、アメリカのアマゾン社、マイクロソフト社、グーグル社、メタ・プラットフォームズ社など、世界の大手IT企業が相次いで、SMR(小型モジュール炉)を含む原子力発電からの電力調達計画を明らかにしています。特にマイクロソフト社は、ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所1号機を再稼働させ、その全発電量(835メガワット)を20年間にわたってマイクロソフトに供給する契約を2024年9月に締結したことを発表しました。

 3.日本の原子力発電所の状況について

 2025年10月20日時点で稼働している原子力発電所は、7発電所で11基になります。停止中は、11発電所で22基。廃止措置中は、12発電所で20基。廃止は、1発電所で6基。建設中は電源開発大間、東京電力東通、中国電力島根3号機の3基になります。
 日本でもAI時代に突入し、データセンターや半導体工場への電力ニーズが急速に高まってます。2011年の福島第一原子力発電所の事故以来、一時的にすべての原子力発電所が止まった時期もありましたが、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の動きがある通り、各地で再稼動の動きが活発になってます。データセンターの建設立地にあわせた電力供給をする必要があります。海底の通信ケーブルの上陸地点である千葉や和歌山、石狩、北九州などには、多量の電力が供給されるようにしておく必要があります。今後の電力需要は、日本でも高まるばかりです。

 4.中小企業の対応について

 日本は、熊本と北海道で半導体工場が稼働し、日本各地には、データセンターが建設されつつあります。日本よりもデータセンターの建設が進んでいるアメリカでは、既に一般家庭の電気に影響を与えてます。マイクロソフト社のスリーマイル島原子力発電所の件は、そんな状況を解決しようとしている表れです。日本でも、近い将来、データセンターや半導体工場関連、大手企業の工場で大量の電気が消費されます。その影響で、中小企業や一般家庭の電気は将来、影響を受ける危険性があります。そのため、今から、自社で発電と蓄電をすることを考えておく必要があります。BCP対応の一環です。また、今後は、SMR型の原子力発電が普及すると思われます。SMR型の原子力発電関連の仕事を意識して、仕事を見つけるのも良いかもしれません。原子力発電は水が大事になってきます。SMR型の原子力発電は、従来の原子炉よりも小型で冷却しやすい構造をしてますが、やはり、水が大事になります。きれいな水を絶えず供給するしくみと冷却水を処理する仕組みが必要です。その他、ドローンやミサイルで攻撃を受ける可能性も考えられます。そのため、監視カメラやレーザー光線など、攻撃に備える製品を作り出す仕事の需要があるものと考えられます。 

 5.アドバンス・キド株式会社からのご提案

 自社の工場の屋根や壁に紙のようにペラペラのペロブスカイト型太陽光発電を設置するのはいかがでしょうか。ペロブスカイト型太陽光発電は、2025年に関西万博でバス停の屋根に設置され、利用されました。ただ、製品として出たばかりで、日本全国に普及するにはもう少し時間がかかりそうです。ペロブスカイト型太陽光発電は、軽いのでどんな構造の屋根や壁に貼ることができます。蓄電池は今後もっと性能が良い製品が市場にでてくるものと考えられます。現在の蓄電池は、リチウムイオン電池でセパレーターが劣化すると、いきなり燃え出す危険があります。まずは、電気代を見直しして、削減効果が出る様でしたら、電力会社を切り替えて、自社の課題整理のために、削減額の一部を使ってみてはいかがでしょうか。太陽光発電や蓄電池の他、自社で改善しなくてはいけない項目を整理しましょう。そして、進むべき道を作り、今後の対応策を考えましょう。
 具体的な対策を立てれば、あとは、目標に向かって進むのみです。
 皆さん、明るい未来に向かって進みましょう!!
                                   以  上

 

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