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コラム

記事公開日

「曲がる太陽電池 量産工場!!」

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 2025年6月18日(水)の日本経済新聞に「曲がる太陽電池 量産工場」、「京大発エネコート 車載用など」という記事が掲載されました。エネコートテクノロジーズは、京都大学発のスタートアップ企業で、薄くて曲げやすい「ペロブスカイト型太陽電池」を開発しています。今回の発表では、京都府宇治市で量産工場を建設する工事に着手したとのことです。稼働開始は、2026年夏を予定しています。開発費などを含めて約100億円を投じ、車載用など高付加価値品の実用化を急いでます。本社近くの京都府宇治市で3000平方メートルの土地を取得し、4階建ての工場を建設する予定です。延べ床面積は、5000平方メートル、クリーンルームを備え、フィルムに発電素材を塗布して封止する一連の工程を担います。エネコートテクノロジーズの加藤尚哉社長は、「本格稼働すれば年間数十ギガワットの太陽電池を生産できる」と話しております。

 エネコートテクノロジーズは、2月までにトヨタ自動車系のファンドなどから計68億円を第三者割当増資で調達し、公的助成金なども得て、量産化に臨みます。現在約100人の従業員数については、2028年には200人に倍増を目指してます。エネコートテクノロジーズは、京都大学の研究成果を活かし、発電効率を高める素材技術に強みがあります。トヨタとは電気自動車(EV)の屋根に乗せる太陽電池を共同開発しています。これまでに小型品で変換効率30パーセントと世界最高水準の性能を実現しています。ペロブスカイト型は曲げやすく車のボンネットに乗せやすい太陽電池です。仮に毎日晴れなら年間5000キロメートル走行できるだけの電気を作り、ほぼ充電がいらないEVを作ることも可能とのことです。エネコートテクノロジーズは、建物の壁に設置する太陽光発電よりも高負荷が見込める車載用を軸に据えた製品づくりをする予定です。また、エネコートテクノロジーズは、車載用の他に光が届きにくい屋内でも高効率に発電できる小型パネルを開発しています。工場内の小型センサーの電源などの用途が考えられます。その他、加藤社長は、ロール状のフィルムの連続加工で生産効率を高めることも検討しているとのことです。ペロブスカイト型太陽電池は、国内では積水化学工業が2025年度から販売をする予定です。また、パナソニックホールディングもガラス建材向けで参入する予定です。

 海外の動きを見てみましょう。中国では、2015年頃からスタートアップ企業が複数社設立されました。多数の企業や大学が中国国内の特許取得を進めていると見られ、研究開発競争は激化しています。イギリスでは、オックスフォード大学のスタートアップ企業オックスフォードPVが、タンデム型(複数種を組み合わせた電池)太陽電池技術の商品化・量産化・製造プロセスの開発に注力しており、2025年頃に大量生産を予定しています。ポーランドのスタートアップ企業であるサウレ・テクノロジーズは、屋内向けの電子商品タグ等のペロブスカイト型太陽電池の開発を進めており、壁面を用いた実証の取組を開始しました。量産化は、コロナ等の影響等で遅れています。

 以上の様に日本の動きも気になりますが、海外の動きもきにしないといけない状況です。今度こそ、技術を他国に持っていかれない様にしないといけません。また、開発と同時にリサイクルの方法も確立しておく必要があります。現在、日本に設置されている太陽光発電の廃棄の問題がクローズアップされてます。この問題を解決しないといけません。ペロブスカイト型の太陽光発電は、わざわざ山奥でパネルを設置する必要はありません。街のビルの壁を利用できます。現在、山を切り開いて太陽光パネルを設置している箇所は、災害が起きやすい状況になってます。早く、街中での発電を実現して、山の自然を回復しないといけません。木は暴風雨や地震等の災害から守ってくれます。我々が少しでも安心して過ごせる世界を作っていきましょう。

 

 

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