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半導体チップの売上目標 40兆円に!!

2026年3月8日の日本経済新聞に「国産半導体2040年に40兆円の売り上げ高目標」「政府 拠点整え先端研究」「官民投資へ行程表」というタイトルの記事が記載されました。また、3月7日の日本経済新聞の記事に「世界の半導体企業、最高益」「メモリー3社 エヌビディアに接近」というタイトルの記事が記載されてました。記事の内容は、日本政府が国内で生産される半導体の売上高を2040年に40兆円まで増やす目標にしたとのことです。人工知能(AI)やデータセンターの需要拡大に備え、最先端半導体の研究・開発拠点を整備し、民間企業が投資しやすい環境をつくるとのことです。2020年の時点で、国産半導体関連の売上高は、5兆円でした。政府の従来の方針は2030年までに売上高を15兆円超にすることでした。今回は、その10年後に25兆円を増やして、40兆円の目標にしました。世界の半導体市場では、2020年は50兆円規模でしたが、2035年には190兆円規模に拡大する見込みです。AIの普及で膨大なデータを高速に処理できる半導体の需要が拡大しています。数年前に世界的に半導体チップが不足し、日本に半導体チップが入らなくなりました。日本では、自動車をはじめ半導体チップを必要とする製品が作れなくなった苦い経験があります。私の古巣も電話交換機(PBX)を生産してましたが、生産量を調整せざる得ない状況でした。現在、半導体チップは、あらゆる製品に組み込まれています。半導体の供給が止まったら、あらゆる機械製品の製造が止まります。その心臓部である半導体チップを日本国内で生産し、供給できる体制を作るのが今回の政府の方針です。
今回は、半導体チップについて、考察してみたいと思ってます。
目次
- 半導体の状況について
- 世界の状況について
- 日本の状況について
- 中小企業の半導体に関する対策について
- アドバンス・キド株式会社からのご提案
1.半導体について
半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と電気のほとんどを通さないゴムなどの「絶縁体」との中間の性質をもつシリコンなどの物質や物体のことです。ただし、このような半導体を材料にしたトランジスタや集積回路も、慣用的に半導体と呼ばれています。約70年前にトランジスタが発明されて以来、半導体は産業の進歩を牽引し、パーソナルコンピューティング、スマートフォン、データセンター、クラウドコンピューティングなどの主要な用途を実現しました。これにより、半導体は現代の間に複雑な相互依存関係が存在しています。今日、半導体は欠かせないものとして私たちの生活のあらゆる面に浸透しています。
2. 世界の状況について
日本経済新聞によると、世界の主要半導体企業11社の2025年第4四半期決算は、純利益の合計が前年同期比で8割増え、四半期としては過去最高になりました。エヌビディアはデータセンター向け半導体「ブラックウェル」の販売が好調で。純利益は94パーセント増の429億ドルと過去最高でした。11社全体の利益に占めるエヌビディアの比率は、42パーンセントです。また、AI半導体に使う高速・大容量の広帯域メモリー(HBM)は、韓国企業とアメリカの企業3社が生産を独占します。アメリカのマイクロン・テクノロジーは広島県の主力工場などでHBMを増産して販売を伸ばし、純利益は2.8倍の52億ドルでした。韓国のサムスン電子の利益額は2.5倍、韓国のSKハイニックスは1.8倍となりました。人工知能向け需要で価格が高騰するメモリーを手掛ける3社の合算の売上高営業利益は47パーセントとアメリカエヌビディアの60パーセントに近づいてます。AI半導体にはエヌビディアが手掛ける計算処理のGPU(画像処理半導体)と計算結果を一時保存するHBMが搭載され、データを高速でやり取りします。GPUだけ性能をあげてもHBMが足を引っ張りかねず、両方の性能向上が重要になってます。HBMは一時記憶用のDRAMを複数枚積み上げて性能を上げてます。メモリー3社はスマホやパソコンにつかう汎用メモリーよりもAI向けお供給を優先する方針を鮮明にしています。
3.日本の状況について
現在、熊本県のTSMCや北海道のラピダスを中心に国内半導体への投資が進んでいます。日本政府は2024年11月にAI・半導体産業基盤強化フレームを策定しました。日本政府は7年間で10兆円超の公的支援を決めました。高市政権では2040年までを見据えた政策パッケージを示し、企業の投資計画を立てやすくしました。高市政権は「危機管理・成長投資」でAI・半導体や量子、造船、創薬、先端医療などを戦略17分野と決め、細分化し、61の製品・技術に整理してます。このうち27製品・技術について先行して行程表を策定する予定です。この中にフィジカルAIやその基盤となる半導体が含まれてます。他にアンモニアや水素などを燃料にする次世代造船、製造過程で二酸化炭素の排出量を大幅削減したグリーン鉄、永久磁石、ゲームなどが並びます。量子分野ではスーパーコンピューターを組み合わせた日本独自の量子コンピューターの開発を目指します。核融合発電は国が主導して2030年代までに発電に向けた研究開発を進めます。海洋無人機(ドローン)は、2030年に世界市場の規模が100億ドル(1兆5700億円)を超えると見込みになると予想されてます。日本政府は、その3割を獲得目標に据えました。
4.中小企業の半導体に関する対応について
半導体チップは、価格だけでなく、BCP(事業継続)も考えて、調達を検討する必要があります。部品価格は安い方がよいですが、持続的な供給網を確立できないのであれば、途中で生産できなく無くなり、損失を被ります。供給網を国内に絞れる、現在進行中の日本で製造される半導体チップの利用を検討するのも、一つの方針だと思います。数年前、半導体チップが世界的に不足した時に日本への供給は後回しにされました。日本政府の今回の方針も日本が生き残る戦略として、国内で半導体チップを製造する方針にしてます。すぐには対応できないと思いますが、国産チップの利用を考えた方が、安定した生産活動ができると思います。
また、半導体チップの製造拠点では、電気と水が大量に使われます。データセンターも同じく、電気と水が大量に使われます。そのため、電気と水が不足しても大丈夫なように、普段から雨水を貯めて使ったり、浄化設備を作ったり、太陽光発電と蓄電池を設置して、電気の一部を賄ったりする対策をしておくと、将来的に困らないと思います。
5.アドバンス・キド株式会社からのご提案
半導体チップから始まった今回のお話ですが、中小企業としては、半導体チップの国産の採用検討と併行して、電力不足と水不足が将来的に起こることが予想されます。まずは、固定費を削減して、投資費用を生み出すことをしませんか。2026年4月から電気代が値上げされる傾向があります。アドバンス・キドでは、電気代の無料診断をして、どのくらい削減が可能かをシュミレーションしてます。削減した費用の一部を次の対策に使うことをお勧めします。事業継続(BCP)をするには、無駄な贅肉をそぎ落とさないといけません。
産業廃棄物の減量や再資源化、DXの推進、できるだけ社内に体力を残し、来る電力不足や水不足に備える必要があります。
皆さん、日本はポテンシャルが豊富です。明るい未来に向かって、進んでいきましょう。
以 上

