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飲食店・居酒屋の固定費削減をするには?損益分岐点の計算方法から利益を残すコツまで解説

「来客数は増えているのに、なぜか利益が残らない」。居酒屋やレストランを経営するなかで、そうした悩みを抱えるオーナーは少なくありません。繁盛しているように見えても利益が出にくい背景には、固定費の重さが関係していることが多くあります。
本記事では損益分岐点の考え方から固定費の費目、利益を残すための具体的な対策まで解説します。
固定費の基礎知識
固定費の見直しを進めるには、まず費用の構造を正確に把握しておく必要があります。ここでは飲食業で押さえておきたい基本的な考え方を整理します。
固定費と変動費の違い
固定費とは、売上の増減にかかわらず毎月一定額が発生する費用のことです。家賃・人件費(正社員分)・リース料・水道光熱費の基本料金部分などが代表例です。対して変動費とは、売上や来客数に連動して増減する費用であり、食材費や一部の消耗品費などが該当します。固定費は売上ゼロの月にも発生するため、経営を圧迫する大きな要因となりやすいです。
損益分岐点の計算方法
損益分岐点とは、収支がプラスマイナスゼロになる売上の水準です。具体的には「固定費÷(1−変動費率)」の式で算出できます。計算例として、月間固定費が100万円、変動費率が60%の場合の損益分岐点を示します。
損益分岐点 = 100万円 ÷(1 − 0.6)= 250万円
つまり月250万円以上の売上がないと赤字になる計算です。固定費が高ければ高いほど損益分岐点は上がり、黒字化に必要な売上水準が高くなります。この数字を事前に把握しておくことが、月次計画の精度を高めることにつながります。
飲食業の利益率の特徴
飲食業は、他業種と比較して売上に占める費用の割合が高い傾向があります。仕入原価に人件費・賃料・光熱費を加えると、売上高のかなりの割合を占めることが一般的です。特に居酒屋や飲食店では、調理スタッフの固定人件費が重くなりやすく、繁盛期と閑散期の差が大きい業態ほど固定費の管理が利益の残りやすさを左右します。
固定費の主な費目
居酒屋や飲食店で発生する主な固定費を、費目ごとに整理します。
家賃(物件費)
駅前や繁華街などの立地条件が良い物件ほど、家賃は高くなります。家賃は契約期間が長く途中での変更が難しいため、開業前の立地選びと交渉が収益性を左右するポイントです。売上が落ち込んだ時期でも家賃は一定額が発生し続けるため、売上に対して適正な水準を保てているかを定期的に確認しておくことが大切です。物件の家賃が売上の何%を占めているかを把握する習慣をつけておきましょう。
人件費(固定部分)
正社員やフルタイムスタッフの給与は、来客数の増減にかかわらず一定額が発生する固定費です。教育・採用コストも含めると、人件費全体の規模は大きくなります。アルバイトを活用することで人件費の一部を変動費に変えられますが、最低限のオペレーションを維持するためのコアスタッフの人件費は一定の固定費として残ります。シフト管理の工夫で総人件費を最適化することが、利益確保への近道となります。
水道光熱費
飲食店では調理器具や空調、照明、冷蔵庫など多くの設備が稼働しているため、水道光熱費の総額は大きくなりやすい傾向があります。電気代は基本料金部分(固定)と使用量に応じた部分(変動)に分かれており、契約の見直しにより固定部分を下げられる場合があります。ガスや水道も含めて定期的に請求内容を確認し、無駄な消費がないかを見直すことが大切です。
飲食店の固定費の主な費目は以下のとおりです。
- 家賃:立地条件で金額が決まる、変更が難しい費用
- 人件費:正社員・フルタイムスタッフの給与および採用・教育コスト
- 水道光熱費:電気・ガス・水道の基本料金部分
それぞれの費目が月間のキャッシュフローに与える影響を正確に把握しておくことが、改善策の優先順位をつける判断材料となります。
利益を残すための固定費対策
固定費を削減する対策はいくつかありますが、店舗運営への影響を最小限に抑えながら効果を出せる取り組みを選ぶことが重要です。
電気代の見直し
電気代は、現在契約している電力会社やプランを変更するだけで削減できる可能性があります。特に高圧契約をしている店舗では、プランや電力会社の変更によって基本料金や単価が変わることがあります。営業を止めることなく、契約手続きだけで完結できるため、他の対策と比べてすぐに着手しやすい特徴があります。まずは自店舗の電気使用量と現在の契約内容を確認し、他社プランと比較することから始めましょう。
業務効率化による人件費の最適化
シフト管理アプリや注文システムの導入によって、ムダな人員配置を減らし、必要な場所に人を集中させることができます。キッチンとホールの連携をデジタル化することで、余計な往来や待ち時間を削減し、スタッフの生産性向上につなげられます。人員を削るのではなく、1人当たりの生産性を高める工夫が、利益を残す人件費対策の基本です。
廃棄ロスの削減
食材のロスを減らすことは、変動費である食材費に直接影響しますが、廃棄ロスの恒常的な削減は経営の安定にもつながります。仕入れ数量の見直しや、売れ残りやすいメニューの販売方法の改善といった対策が有効です。AIを活用した需要予測システムを導入する店舗も増えており、データにもとづく食材管理が廃棄コストを下げる手段として注目されています。
特に効果的な電気代削減の方法
複数の固定費対策のなかで、居酒屋や飲食店が取り組みやすいのが電気代の削減です。ここでは具体的な進め方を解説します。
現在の電気契約を確認する
まず、電気料金の請求書や検針票から現状を把握します。確認すべき項目は次の3点です。
- 契約電力(kW):基本料金を決める契約上の最大電力量
- 使用電力量(kWh):直近の月ごとの電力使用量
- 単価(円/kWh):1kWh当たりの料金
これらの数字をまず把握することで、比較・見直しの精度が上がります。
新電力会社への切り替えを検討する
電力自由化により、大手電力会社以外の新電力会社へ切り替えることが可能です。新電力へ変更した場合でも電気の品質は変わらず、停電リスクが高まるわけでもありません。自店舗の営業時間や使用パターンに合ったプランを選ぶことが大切です。切り替えに際して特別な工事は不要で、手続きだけで完結するのが一般的です。
専門会社に相談する
電力会社の比較や切り替え手続きに不安がある場合は、専門のコンサルタントや仲介業者に相談する方法もあります。最適なプランの提案から手続き代行まで支援してくれるため、オーナーや店長は店舗運営に集中しながら電気代の見直しを進めることができます。初期費用不要で対応している業者も多いため、まずは相談してみることをおすすめします。
まとめ
飲食店や居酒屋の経営で利益を残すには、損益分岐点を把握したうえで固定費の削減に取り組む姿勢が欠かせません。家賃や人件費、水道光熱費はいずれも重要な費目ですが、なかでも電気代は契約変更だけで対応でき、店舗運営への影響が少ない点で取り組みやすい選択肢です。
経営の改善は大きな施策から始めなくても構いません。まずは現在の電気代の内訳を確認し、削減できる余地があるかどうかを確かめることが、利益を残すための最初の一歩となります。
アドバンス・キドでは、店舗の使用状況に応じた最適な電力プランのご提案を行っています。低圧・高圧いずれの契約にも対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

