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電気自動車(EV)の動向について!!

2026年8月29日の日本経済新聞に「先端EV、中国で先行生産」「トヨタ、最大市場に軸足」「まずレクサスSUV」という記事が記載されてました。内容は、トヨタ自動車が2027年秋から次世代の電気自動車(EV)を世界に先駆けて中国で生産するとのことです。EV版の高級車ブランド「レクサス」の多目的スポーツ車(SUV)を販売する計画です。EVでの先端技術の競争の中心は欧米や日本から中国に移りつつあります。イギリスの調査会社グローバルデータによると。2025年のEV販売は、中国で857万台と世界の6割を占めました。欧州の約3倍、日本の100倍超に達します。2030年には1,141万台を見込んでます。EV市場は日欧米で逆風が吹いてますが、中長期的には世界で拡大すると予測されてます。中国は世界のEV自動車の市場の覇権獲得を占う地域になってます。トヨタは、新型車を2027年に中国の上海市の新工場で組み立てます。初年度は月1,000台程度で作り始め、2028年以降は年間数万台を生産します。車体には最先端の部品を取り入れる予定です。新手法「ギガキャスト」を使い、アルミ鋳造で部品を一体成型します。車体の一部の重量が従来より最大2割程度軽くなり、1回の充電での走行距離は数パーセント程度延びるとの見方があります。車体が高剛性になるほか、部品を組み合わせる工程が減るため、生産スピードも高まります。
「ソフトウェア定義車両(SDV)」として、安全性の向上や音声認識機能、車内で楽しむ音楽・動画などのエンタメ機能をインターネット経由で追加できる車種も増やしていく予定です。トヨタはハイブリッド車(HV)「プリウス」や燃料電池「ミライ」など先進技術を搭載した車を日本で製造、日米で販売拡大して世界市場を開拓してきました。次世代EVは中国地区で生産を主導します。次世代EVを巡っては、流線型で車高の低い「クーペ」タイプの開発を日本で進めてきましたが、2026年春に開発を中止しました。一方、中国ではSUVタイプのEV需要が強く、中国自動車大手のBYDは6月に大型SUVの新車を発売するなど競争が活発になってます。トヨタは、「マルチパスウェイ(全方位戦略)」と称して、地域のニーズに合わせて様々な車種を取り揃え、現地で開発・生産する戦略を掲げています。日本や米国ではHVやガソリン車を進め、中国ではEVの販売に軸足を置きます。
今回は、「EVの状況」に言及していきます。
目 次
1.EVの状況について。
2.世界の状況について
3.日本の状況について
4.中小企業の対応について
5.アドバンス・キド株式会社の提案
1.EVの状況について
EVは「失速」ではなく、「選別・二極化」の段階に入りました。世界のEV販売は依然として増えています。IEAによると、2025年の世界のEV販売は2,000万台を超え、前年比20%増。新車販売の約4台に1台がEVでした。2026年も世界販売は約2,300万台、世界の新車販売の約28%になると予測されています。
つまり、「EVが売れなくなった」のではありません。「EVなら何でも売れる時代ではなくなった」というのが現在の状況です。
現在のEV市場を5つに分けると
- EV販売は、世界では拡大している。
- 中国は、EV化が非常に速く、市場が活発化してます。
- ヨーロッパでは、規制を背景に市場が拡大してます。
- アメリカでは、政策変更・価格などで市場が不透明になってます。
- 日本では、EVはまだ低水準です。市場では、HVが圧倒的です。
特に中国は突出しています。2025年、中国では新車販売の約55%がEVでした。1千3百万台以上のEVが販売され、世界のEV販売増加の半分以上を中国が占めました。一方、米国ではEV比率が10%弱にとどまっています。
2.世界の状況について
世界の自動車各社は、中国市場を意識した車開発に動いています。日産自動車は新車の開発期間を約2年(26か月)と、従来から半分に縮める方針を掲げてます。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は中国のEVメーカーと組み、2030年まで最大50車種のEVなど新エネルギー車を発売する計画です。従来の自動車メーカーは、通常4~5年で新型車をつくるのに対し、中国の新興EVメーカーは半分の2年という短期間で新車を生み出してます。先端技術を取り込みながら、開発スピードを高めるといった中国ならではの作り方が求められてます。
中国のEV市場だけでなく、世界では、かなり大きな変化が起きています。
①「EV一本化」から「マルチパスウェイ」へ
以前は、「ガソリン車⇒HV⇒EV」という一本道で考えられていました。
しかし現在は、「BEV+HEV+PHEV+レンジエクステンダー+水素+高効率エンジン」
という複数の選択肢を持つ方向に変化しています。
これは日本だけではありません。例えば米国では、ガソリン価格の上昇などを背景に2026年7月のHV販売が前年同月比で約20%増加しました。
トヨタ、ホンダ、現代などアジアメーカーがHV市場を大きく押さえています。
② 中国は「EVをやめる」のではなく、さらに先へ
中国はEVからHVへ戻っているわけではありません。むしろ、「EV → EV+PHEV+レンジエクステンダー」へと進化しています。中国メーカーはEVを大量生産し、価格競争力、電池、ソフトウェア、自動運転などを急速に進化させています。2025年、中国は世界のEV生産の約75%を占めました。また中国のEV輸出は250万台を超えています。つまりトヨタが中国で先端EVを先行生産する意味は大きい。「中国市場で売るため」だけではなく、「中国で進化する技術を取り込むため」と見るべきです。
③ BYDなど中国勢が世界へ
中国のEVメーカーは国内だけでなく海外へ進出しています。例えばBYDは2026年上期の海外輸出が約79万台となり、前年同期比71%増となりました。今後、日本企業にとって怖いのは、「中国EVが日本に入ってくる」だけではありません。
中国企業が、
- ASEAN
- インド
- 中東
- 欧州
- 南米
- アフリカ
などに進出していくことです。
3.日本の状況について
日本は世界とはかなり違います。日本では「HV」が圧倒的に強いです。
2026年1~6月の普通乗用車を見ると、
- HEV:約60.7%
- EV:約3.8%
- PHEV:約1.7%
という構成です。
つまり日本では、EVよりも、まずHVが電動化の中心になっています。
これは非常に重要です。なぜ日本ではHVが強いのか?
理由は大きく5つあります。
① 充電インフラの不足 : EVは充電設備が必要です。
② 戸建て住宅以外では充電が難しい : マンション・集合住宅では充電設備の設置が課題になります。
③ 長距離走行 : 地方では一回の給油・充電で長距離を走れることが重要です。
④ EV価格 : バッテリー価格を含め、車両価格がまだ高い。
⑤ 日本メーカーのHV技術 : トヨタ、ホンダなどは長年HV技術を蓄積しています。
その結果、「電動化したいが、EVにする必要はない」という日本の消費者ニーズにHVが非常によく合っています。
4.中小企業の対応について
「EVかHVかを当てにいくのではなく、自社がどちらの時代にも対応できる会社になる」ことをお勧めします。
① EV関連企業だけを狙わない
EVになると、
- エンジン
- トランスミッション
- 排気系
- 燃料系
などの部品が減ります。
一方で、
- 電池
- モーター
- インバーター
- 半導体
- センサー
- ソフトウェア
- 熱マネジメント
- 軽量化
- 充電設備
などが重要になります。
したがって中小企業は、「EV部品メーカーになる」だけでは危険です。
② 「HV+EV」の両方を見る
例えば金属加工会社なら、「従来エンジン部品⇒HV部品⇒EV部品」と技術を横展開します。。
電気工事会社なら、「工場電気設備⇒EV充電設備⇒太陽光⇒蓄電池⇒EMS」
という展開ができます。つまり、「EV化=既存事業を捨てる」ではありません。
③ エネルギーまで見る
ここが中小企業にとって非常に重要です。EVが増えると、自動車だけの問題ではありません。電力需要が増えます。
例えば、EV⇒充電⇒電力需要増加⇒太陽光⇒蓄電池⇒電力マネジメント⇒電気料金削減
という巨大な市場が生まれます。
さらにデータセンター、AI、半導体工場などでも電力需要が増えています。
したがって、「自動車の電動化」ではなく「社会全体の電動化」を見る必要があります。
5.アドバンス・キド株式会社の提案
「トヨタがEVを諦めたのではありません。EV、HV、PHEV、水素、それぞれの長所を使い分ける時代になりました。中小企業も同じです。EVかHVかを当てるのではなく、どんな時代になっても利益を出せるように、電気代を下げ、AIや省エネに投資できる会社をつくることが重要です。」
世界の自動車市場は現在、EVだけでなくHV・PHEVなどを含む「複数のパワートレインを持つ戦略」へ動いています。日本の経済産業省も2026年に、自動車産業政策について世界で見直しが始まっているとの整理を公表しています。
「EVを売る会社」ではなく、「中小企業の電動化・省エネ・BCPを支援する会社」と位置付けるのがよいと思います。
提案①「EV時代の電気代診断」
EVが増えると企業の電力使用量が増えます。
そこで、「現在の電気料金⇒設備の電力使用量⇒EV導入時の電力増加⇒太陽光⇒蓄電池⇒電力契約⇒電気料金削減」
を一体で検討する必要があります。
提案②「EV+太陽光+蓄電池」
中小企業に、「EV+太陽光+蓄電池+電力契約見直し」をセットで検討することが大事です。会社を小さなエネルギー基地にするという発想です。
提案③ BCPとの組み合わせ
EVは災害時に非常用電源として活用できます。
例えば災害時、「停電⇒太陽光発電⇒蓄電池⇒EV⇒非常用電源」という仕組みです。
EVを単なる「移動手段」ではなく、「走る蓄電池」として位置付けます。特に地震・台風・猛暑が増える日本では、これは中小企業のBCP対策として意味があります。
皆さん、次世代EVには可能性があります。特に電気との相互依存を考えると、今後の進化をよく見る必要があります。
以 上

