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ホテル・旅館の電気代を削減するには?平均や水道光熱費の目安を解説

ホテルや旅館の運営において、経営利益を圧迫する大きな要因の一つが「水道光熱費」、とりわけ高騰が続く電気代です。
お客様に最高のおもてなしと快適な空間を提供するためには、24時間365日、空調や照明を止めることはできません。しかし、「お客様満足度を維持するためには、高額な光熱費も仕方がない」と諦めてしまってはいないでしょうか?
本記事では、ホテル・旅館における電気代・水道光熱費の平均的な目安(売上対比率)を解説します。
ホテル・旅館の電気代・水道光熱費はどれくらい?
自施設のコストが適正範囲内にあるかを確認するため、まずは業界の平均的な水準とコスト内訳を把握しましょう。
水道光熱費の売上対比率
宿泊業における水道光熱費は、一般的に売上高の5〜8%程度が目安とされています。ただし、業態によって大きく異なります。
シティホテルやフルサービス型では6〜8%前後となります。宴会場やレストラン、厨房設備など電力消費の大きい設備を多く備えているためです。
ビジネスホテルなど宿泊特化型は5〜6%前後に収まる傾向があります。サービスが限定的で効率化が進んでいますが、稼働率によって変動しやすい特徴があります。
温泉を有する旅館では7〜10%以上と高くなります。温泉の汲み上げポンプや加温設備、広大な共用部の空調管理が要因です。近年は燃料調整費の高騰により、10%を超えて利益を圧迫している施設も増えています。
季節による変動の特徴
ホテル・旅館の電気代は、季節によって大きく変動します。特に夏場(7〜9月)と冬場(12〜2月)は、空調負荷が最大化するため、春や秋と比べて1.5〜2倍近くに跳ね上がることも珍しくありません。
閑散期でもロビーや廊下などの共用部は一定の照明・空調が必要なため、「売上は下がったのに電気代があまり下がらない」という現象が起きやすく、これが経営を苦しめる要因となっています。
電気代が高くなる主な要因
施設内のエネルギー消費の内訳を見ると、空調が全体の約40〜50%を占めており、最大の消費源となっています。次いで照明が約20〜30%、給湯・その他が約20%と続きます。
電気代削減において最もインパクトが大きいのは「空調」であり、次いで「照明」です。これらを効率よくコントロールすることが、コスト削減の鍵となります。
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空調設備の運用見直しとメンテナンス
消費電力の約半数を占める空調設備は、メンテナンスと設定温度の管理だけで大きな効果が期待できます。
フィルター清掃の徹底について、フィルターが目詰まりしていると空調効率が下がり、余計な電力を消費します。2週間に1回程度の清掃で、約5〜10%の節電効果が期待できます。
設定温度の適正化は、環境省の推奨通り、冷房28℃・暖房20℃を目安に見直しましょう。客室はお客様の快適性を最優先しつつ、バックヤードや共用部で徹底することが重要です。設定温度を1℃緩和すると、空調の消費電力は約10%削減されると言われています。
照明のLED化とセンサー導入
まだ白熱電球や蛍光灯を使用している箇所があれば、早急にLEDへ切り替えましょう。LEDは従来の電球に比べて消費電力を約80〜90%削減でき、寿命も長いため交換作業の人件費も削減できます。
従業員用通路、倉庫、夜間のパブリックスペースのトイレなど、常時人がいない場所には人感センサーを導入することで、消し忘れを物理的に防ぐことができます。
オペレーションによる節電
ハード面だけでなく、スタッフの意識改革も重要な要素です。
客室清掃時のルール化として、清掃中の換気時は必ずエアコンを切る、照明は作業に必要な箇所のみ点灯するといったルールをマニュアル化し徹底します。
不要箇所の消灯については、事務所や休憩室など、お客様の目に触れないバックヤードでの節電意識を全スタッフで共有することが大切です。
電力会社の切り替えでコストを削減
「こまめな消灯や温度管理はすでに限界までやっている」「これ以上の節電はサービスの質に関わる」そうお悩みの方にとって、最も効果的かつ根本的な解決策となるのが、電力会社の切り替えです。
新電力への切り替えとは?
2016年の電力小売全面自由化以降、ホテルや旅館などの法人も、地域の電力会社以外から自由に電気を購入できるようになりました。
「安い電力会社に変えると、停電しやすくなるのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、送配電網は従来の設備をそのまま使用するため、電気の品質や供給の安定性は一切変わりません。変わるのは「契約先」と「料金単価」だけです。
低圧電力・高圧電力どちらも削減のチャンスあり
小規模な旅館やペンションで使われる「低圧電力」から、大規模ホテルやリゾート施設で使われる「高圧電力・特別高圧」まで、規模を問わず見直しの対象となります。
基本料金の見直しでは、契約電力(デマンド値)に基づいた基本料金を下げるプランを選択できます。また、従量料金の見直しでは、使用量に応じた単価設定が安いプランを利用できます。
これらを組み合わせることで、電気の使用量や使い勝手を変えずに、支払いコストだけを下げることが可能です。弊社では、お客様の電気の使用状況に応じて、低圧・高圧どちらも最適な新電力会社・電力プランをご提案可能です。
初期費用0円で年間最大30%削減も可能
新電力への切り替えには、原則として初期費用がかかりません。工事不要(スマートメーターへの交換のみ/原則無料)で、手続きだけで完了するため、リスクなく導入できるのが最大のメリットです。
弊社の実績では、電力会社の選定とプランの見直しを行うことで、電気代を年間最大30%削減できた事例もございます。日々の節電努力も大切ですが、契約自体を見直すことで、年間数百万円単位の利益創出が実現する可能性があります。
よくある質問
Q. ホテルの光熱費はいくらくらいですか?
ホテルの光熱費は施設の規模や業態によって大きく異なりますが、売上高に対する比率で見ると5〜8%程度が一般的な目安となります。
具体的には、シティホテルやフルサービス型では6〜8%前後、ビジネスホテルなど宿泊特化型では5〜6%前後、温泉を有する旅館では7〜10%以上となることが多いです。近年は燃料調整費の高騰により、この比率が10%を超えて経営を圧迫している施設も増えています。
例えば、月間売上が1,000万円の施設であれば、光熱費は50万円〜80万円程度が目安となります。ただし、季節変動や稼働率によって大きく変わるため、自施設の実績データを継続的に確認することが重要です。
Q. ホテルの電気代はいくらくらいかかりますか?
ホテルの電気代は光熱費全体の中で最も大きな割合を占めており、光熱費の約60〜70%を電気代が占めるケースが一般的です。
客室数や設備規模によって変わりますが、50室規模のビジネスホテルで月間30万円〜50万円程度、100室規模のシティホテルでは月間100万円〜200万円程度かかることが多いです。温泉施設を持つ旅館では、ポンプや加温設備の稼働により、さらに高額になる傾向があります。
特に注意すべきは季節変動で、夏場と冬場は空調負荷が高まるため、春や秋に比べて1.5〜2倍近くに跳ね上がることもあります。また、閑散期でも共用部の照明や空調は必要なため、稼働率が下がっても電気代があまり下がらない点が課題となります。
Q. ホテルで電気代を節約するにはどうしたら良いですか?
ホテルの電気代を節約するには、運用改善と契約見直しの2つのアプローチがあります。
運用改善では、まず消費電力の約40〜50%を占める空調設備の管理が重要です。フィルター清掃を2週間に1回程度徹底することで約5〜10%の節電効果が期待でき、設定温度を1℃緩和するだけで約10%の削減が可能です。また、照明のLED化により消費電力を約80〜90%削減でき、人感センサーの導入で消し忘れを防げます。
さらに効果的なのが、電力会社の切り替えです。2016年の電力自由化以降、法人も自由に電力会社を選べるようになり、契約先とプランを見直すだけで、使用量を変えずに年間最大30%のコスト削減が可能です。初期費用0円で工事も不要なため、リスクなく導入できる最も効果的な方法といえます。
まとめ
ホテル・旅館経営において、電気代の削減は利益率改善に直結する最優先課題です。効果的な削減のためには、まず売上対比率(目安5〜8%)を確認する「現状把握」、LED化や清掃などの「運用改善」、そして新電力への切り替えで固定費そのものを下げる「契約見直し」という3つのステップを着実に進めることが重要です。特に新電力への切り替えは、サービスの質を維持したまま大きなコストダウンが見込めるため、非常に効果的な施策と言えます。
アドバンス・キドでは、貴施設に最適なプランを比較・選定し、無駄のない電力契約をご提案いたします。新電力の切り替えにて、どのくらいコストを下げられるのか等の相談も承っております。まずはお気軽にご相談ください。

