1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

コラム

記事公開日

なぜ中小企業の電気代は下がらないのか?高騰の背景と今すぐできる対策を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 多くの中小企業で、電気代が利益を圧迫しています。現場で節電対策に取り組んでいるにもかかわらず、請求額が増えているケースは多く見られます。電気代が上昇する背景には、企業の努力だけでは解決しにくい要因があります。電力料金の構造そのものが変化しているためです。
 本記事では、中小企業の電気代が高騰する理由から、費用を抑えるための具体策までわかりやすく解説します。

中小企業の電気料金が上昇し続ける理由

 そもそもなぜ中小企業の電気代は上がり続けているのでしょうか。まずは、現在の電力市場を取り巻く状況を、3つの観点から見ていきます。

燃料価格の変動と円安の影響

 日本の電力は、液化天然ガス(LNG)や石炭を使う火力発電が中心です。これらの燃料は輸入に頼っており、国際的な地政学リスクの高まりとともに調達コストが上昇しています。円安の進行が、その支出をさらに押し上げています。
 こうした増加分は燃料費調整額を通じて、毎月の料金に直接上乗せされます。たとえ社内で数パーセントの節電を達成しても、この調整額の上昇がそれ以上に大きければ、最終的な支払額は増えてしまいます。使用量を抑えても請求額が増えるのは、こうした外部要因が働いているためです。

再エネ賦課金による負担の蓄積

 電気料金の内訳として見落とされやすいのが、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)です。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を支える費用として、電力を使うすべての事業者が負担しています。
 この賦課金は、使用量1kWhごとに賦課されます。そのため、電力消費の多い法人ほど負担額は自然と大きくなります。単価は長期的に上昇傾向にあり、かつては軽微な負担でしたが、現在では経営上無視できない水準まで増加しています。

市場連動型プランに伴う価格変動リスク

 新電力のプランの中には、市場価格に合わせて単価が決まる市場連動型があります。需給が安定している時期は割安ですが、寒波や猛暑で電力が逼迫すると、価格が数倍から数十倍に跳ね上がることもあります。
 市場の価格変動がダイレクトに反映されるため、適切なリスク管理ができていないと、思わぬ高額請求を招く原因にもなります。自社の契約が市場連動型かどうか、一度確認しておくことが大切です。

電気代の削減方法

 コストが増え続ける中で、企業はどのように動けばいいのでしょうか。ここでは、実効性の高い3つのアプローチを紹介します。

運用改善による使用量抑制

 初期費用をかけずに始められるのが、日常運用の見直しです。オフィスや商業施設では、電力消費の多くを空調と照明が占めています。
 たとえば空調の設定温度の変更やフィルター清掃を定期的に行うなどの積み重ねは、年間で見ると大きな差になります。大切なのは、時間帯別に電力使用量を可視化することで、「いつ、どこで電気を使っているのか」を特定することです。まず自社のエネルギー使用状況を数値で把握することが、コスト削減の第一歩になります。

補助金を活用した設備更新

 老朽化した設備を刷新することで、消費電力を抜本的に抑えられます。最新の空調設備やLED照明は省エネ性能が格段に向上しており、古い機器と比べ、電力使用量の大幅な削減が可能です。
 導入コストが気になる場合は、国や自治体の補助金を利用するのも有効です。2026年度も中小企業向けの省エネ設備支援策が継続しており、これらを活用することで、投資の回収期間を短縮できます。申請には専門知識が必要な場合が多いため、専門家のサポートを受けながら進めると良いでしょう。

契約プランの最適化

 設備と並んで見直したいのが、契約内容そのものです。電力自由化以降、さまざまな事業者が参入し、料金メニューも多様化しています。
 現在の電力使用パターンを分析し、自社に合ったプランへ切り替えるだけでも、固定費が下がる可能性があります。まずは現在の契約内容を見直し、他社のプランと比較検討するところから始めてみましょう。

新電力へ切り替え時の注意点

 電力会社の切り替えは効果的な手段ですが、選ぶ際には慎重なチェックが必要です。契約後のミスマッチを防ぐためにも、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

料金体系の構造的確認

 新電力の料金メニューは、会社によって設計が異なります。単価の安さだけでなく、基本料金と従量料金のバランスが自社の実態に合っているかを確認しましょう。

 特に以下の3点を意識してください。

  • 時間帯別の単価設定:夜間や休日の稼働が多い場合に有利な設計になっているか
  • 燃料費調整額の算出基準:事業者独自の加算設定が含まれていないか
  • 付帯サービスの有無:保守点検などとのセット販売になっているか

 目先の安さだけでなく、支払総額を使用量で割った実効単価で比較することが重要です。

契約期間と解約違約金の設定

 契約には、期間の縛りや中途解約時の違約金が設定されていることがあります。数年間の継続を条件に割引を受けている場合、途中で乗り換えると多額の違約金が発生することがあります。

 違約金の発生条件を事前に把握しておくことが、将来の経営判断を柔軟に保つうえで役立ちます。

供給会社の事業継続性と実績

 電力自由化以降、参入事業者の撤退や倒産も起きています。もし契約先が事業を停止してもすぐに電気が止まることはありませんが、事務的な手間やコスト増を招く恐れがあります。

 事業者を選ぶ際は、次の項目をチェックしておきましょう。

  • 供給の規模と実績:法人向け供給において十分なシェアや継続年数があるか
  • 調達の安定性:自社発電所の有無や、電力調達のバックボーンが強固か

 信頼できるパートナーを選ぶことは、エネルギーを安定して確保するための基本的なポイントです。

自社に最適なプランを見極めるポイント

 最終的にどのプランが合うかは、自社データを使った客観的な分析によって見えてきます。コストを最大限に抑えるための、より踏み込んだ見極め方を解説します。

負荷率に見合った単価の選定

 電力業界には負荷率という指標があります。これは契約容量(デマンド値)に対して、どれだけ効率よく電力を使用しているかを示すものです。

 負荷率を把握しておくと、料金プランの選定に具体的な根拠が生まれます。

 たとえば、24時間稼働する工場のような負荷率が高い場合は、基本料金が高めでも従量単価が低いプランが最適です。一方で、特定の時間帯にのみ使用するオフィスなどは、基本料金の低いプランのほうが費用を抑えられます。

 自社の電気の使い方を数字で掴むことで、適切なプランを選択することができます。

契約容量(デマンド値)の適正化

 基本料金の根拠となる契約容量が、実態とずれているケースは少なくありません。過去の最大使用量に基づいて設定されたままだと、毎月過剰な基本料金を支払っていることになります。
 30分ごとの最大需要電力を計測し、ピークを抑える運用を取り入れることで、契約容量の引き下げが見込めます。実態に即した見直しは、省エネの専門家や電力コンサルタントへの相談が有効です。

削減したコストの活用方法

 電気代の削減で生まれた資金は、以下のような分野へ再投資できます。

  • 人材・教育への投資:採用力の強化や社員のスキル向上
  • 成長分野への設備投資:生産性の改善や新規事業の原資
  • 財務体質の強化:内部留保の積み増しによる経営基盤の安定

 コスト削減を単なる支出抑制ではなく、経営資源の再配分として捉えることで、取り組みの価値はより高まります。

まとめ

 電気代が高騰し続けるのは、燃料費調整制度や再エネ賦課金など、自社では制御しにくい要因が重なっています。節電だけで対応しようとしても、昨今のコスト増には追いつきにくいのが現状です。
 その中でも、契約容量の見直しやプランの切り替えといった対策は、今日からでも着手できます。まずは自社の電力使用データを分析し、どこに改善の余地があるかを見極めることが重要です。
 アドバンス・キドでは、現在の契約内容や電力使用データをもとに、プランの選定から切り替え手続きまで、一貫してサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

アドバンス・キドの新電力はこちら

新電力に関するご相談・お問い合わせはこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

サービスに関する各種お問い合わせ・資料の請求は、
各メールフォームよりご連絡ください。