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空調機器の室外機 外気温43度で停止!!

2026年8月6日の日本経済新聞に「熱波、中東欧の産業直撃」「ドナウ川、記録的な低水位 ルーマニア」「原子力発電所や車メーカーの工場操業停止」「経済被害5400億円超に」「ハンガリー節電」「山火事も猛威」というタイトルの記事が記載されてました。内容は、熱波の影響が中東欧を中心に拡大し、企業の製造等の活動に影響がでていること。ドナウ川が記録的な低水位となり、冷却水不足で原子力発電所が一部停止に追い込まれていること。また、ルーマニアでは、自動車メーカーが一時的に、生産停止をしたこと。一連の熱波対応でイギリスのメディアでは、熱波や山火事の経済被害が30億ユーロ(約5400億円)を超えたと伝えている内容が書かれてます。ヨーロッパは、伝統的に空調機器を使う文化がなく、家庭用空調の普及率は約20%とのことです。この熱波で、さすがのヨーロッパの人たちも空調機器を購入する動きになっている様です。水で冷やす原子力発電所の動きが心配ですが、電気や熱の影響で空調が止まると、命に係わるレベルであることも心配です。
今回は、空調機器の室外機に絞って言及していきます。
目次
1.空調室外機は外気温43度で止まる。
2.世界の空調機器の状況について
3.日本の空調機器の状況について
4.中小企業の対応について
5.アドバンス・キド株式会社の提案
1.空調室外機は、外気温43度で止まる
熱波は、ヨーロッパだけでなく、日本でも問題です。空調の室外機が外気温43度で止まる設定をしているのは、機器の安全性・性能限界・冷媒特性から決まった“設計上の限界”だからです。
〇外気温43度で止まる主な理由
① 冷媒サイクルの限界
- エアコンは「圧縮→凝縮→膨張→蒸発」の循環で熱を外に逃がす仕組み
- 外気温が高すぎると「熱を外に捨てられない」状態になる
- 高温時は圧力が上昇し、故障リスクが急増
- 過熱すると焼き付き・絶縁劣化が起きる
- 一般的にエアコンは外気との差が大きすぎると性能が落ちる(いわゆる20℃差の目安)
つまり、「壊れる前に止める」=安全装置として停止温度が設定されています。
43℃は代表的な目安で、機種により40〜46℃程度で制御されることが多いです。
2.世界の空調機器の状況について
世界でも同様に“高温停止(または能力低下)”は標準仕様です。
① 共通傾向
- 多くの空調機の設計外気温上限→ 約 43℃(110°F)前後です。
- 中東・オーストラリアなど高温地域でも同様です。
② 共通傾向
- 極端な猛暑では、空調を使っても
- 冷えません。
- 連続運転になります。
- 停止・保護動作が発生します
- 実際、猛暑では家庭用エアコンは外気との差20℃程度しか冷やせないとされてます。
つまり、世界標準でも“43℃前後が実用限界”です。
3.日本の空調機器の状況について
従来は想定外でしたが、近年は地球温暖化等の影響で問題になってます。
① 背景
- 日本の設計基準(従来)は、外気温:35℃前後で想定をしてます。
- しかし近年、40℃超が頻発し、 屋上・直射で室外機周辺は45℃以上になるケース多発し、空調機が止まる危険性がましています。
② 現象
- 空調機器が動いていても、冷えない現象があります。
- 室外機停止(保護) になる場合が、最近、多くなってます。
- 止まらなくても、空調機器をフル回転している状況なので、電力消費増加が目立ってます。
日本は今、「設計温度を超える時代」に突入してます。
電気代や室外機の周りの気温を以前よりも気にする必要があります。
4.中小企業の対応について
“停止させない工夫”が現場対応の中心になります。
主な対策
① 遮熱・日除け
- 室外機に直射日光を当てない様に工夫します。
② 通風改善
- 壁から離す、風の通り道を確保して、少しでも室外機を涼しくします。
③ 散水・ミスト
- 室外機に水をかけて温度を下げることも実施する必要があります。
(※効果ありとの専門家意見)
④ 高耐熱機種への更新
- 最近では、50℃対応モデルなどがでています。空調の入れ替えを検討する場合は、高温対応モデルの導入を検討されるのが良いでしょう。
⑤ 分散設置・負荷分散
- 複数台を一緒に使い、一台だけの集中使用を避ける様にします。
中小企業は、設備更新より“低コスト改善”が中心が必要だと思います。
5.アドバンス・キド株式会社の提案
まず、室外機を守りましょう。これは、室外機を守るだけではなく、電気代の削減にも通じます。
① 室外機の温度低減
室外機の吸込温度を1℃下げると、消費電力が約10〜13%削減できます。
また、以下の項目を実施することによって、外気温上昇で停止(高圧カット)を防ぎ、無駄な再起動電力も削減できます。
- 日陰設置(庇・遮熱パネル・簡易シェード) の設置
- 屋上・壁面の遮熱塗装の推奨
- 室外機カバー(通気性確保型)の設置
- 周辺の打ち水・散水の推奨
- 自動ミスト装置導入の推奨
② 室外機の設置環境改善
- 吹き出し口前の障害物撤去(最低50cm確保)
- 密集設置の解消(ショートサーキット防止)
- 排熱の再吸込み防止(ダクト・配置変更)
以上のことから、放熱効率改善=圧縮機負荷低減=電気代削減が実現できます。
③ 熱交換効率の維持・改善
汚れや詰まりは消費電力増大の主要因です。また、室外機に負担をかけます。
- フィン洗浄(定期メンテナンス) をお勧めします。
- 熱交換器の高効率化(更新・改修) をご検討願います。
- 冷媒適正管理をしてください。
④ 冷房負荷そのものの削減
以下の項目をお勧めします。
室内熱負荷が減るほど室外機の稼働負担も低減します。
- 建物の断熱強化(屋根・壁・窓)
- 遮熱フィルム・Low-Eガラス
- ブラインド・カーテン活用
- 屋根散水・グリーン化
⑤ 運転制御の最適化
空調機器は、建物電力の40〜50%を占める主要負荷(研究報告)です。
以下の項目をご検討ください。
- 設定温度の適正化(過剰冷房の防止)
- インバーター制御機の導入
- ピークカット制御(デマンドコントロール)
- IoTによる空調制御最適化
⑥ 設備更新(高効率化)
従来は、43度設定が普通でしたが、現在は、50度前後を設定している空調があります。43℃限界機種 → 高温耐性機種で停止回避+効率維持です。
- 高効率空調機(省エネ型)への更新のご検討をお願いします。
- 空冷 → 水冷・蒸発冷却型の検討をお願します。
- 高温対応型機器(50℃対応機種など) の導入をご検討ください。
⑦ エネルギーマネジメント
外気温・電力単価に応じた最適運転でコストを最小化しましょう。
- 電力見える化(BEMS導入)
- AI・予測制御(気温連動運転)
- 太陽光+蓄電池連携
⑧ 運用改善(現場教育)
小さな運用改善でも数%〜十数%の削減効果が期待できます。
- フィルター清掃の徹底
- 使用時間帯の見直し
- 空調ゾーニング(使う場所だけ冷やす)
間違ってはいけないのは、「43℃停止」は故障ではなく設計限界です。
対策は「停止防止」ではなく、 室外機温度を下げる=電気代削減です。
つまり、“猛暑対策は、コスト削減投資”に転換できます。
以 上

