記事公開日
次世代通信について!!

2026年8月30日の日本経済新聞に「自衛隊基盤にIOWN」「AI活用へ大容量通信」という記事が掲載されてました。この記事を読んだ私は、いよいよIWON時代の到来か・・と思いました。記事の内容は、防衛省が自衛隊の部隊や全国の基地をつなぐ通信網にNTTの次世代光通信基盤「IWON(アイオン)」の中核技術を導入するとのことです。大量のデータをすばやく共有できる通信環境を整え、人工知能(AI)を本格活用する「新しい戦い方」に備えるという内容です。IWONは光技術を活用して大容量・低遅延・低消費電力を実現する次世代情報通信基盤構想です。防衛省はこの構想の中核を担う光通信技術「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」を採用します。NTTはAPN技術に関し、2030年をめどにデータ転送容量を現在の125倍、伝送遅延を200分の1、消費電力を100分の1程度にする目標を掲げてます。IWONの技術を使うと、光信号で送られたら、そのまま光信号で受信して情報を処理することができます。従来は、電気信号に変換して、送られてきた情報を処理する必要がありました。つまり、IWONネットワークは、光だけで処理できる理想的なネットワークです。
今回は、次世代通信に言及します。
1.第6世代次世代通信の状況
2.世界の状況
3.日本の状況
4.中小企業の対応について
5.アドバンス・キド株式会社の提案
1.第6世代次世代通信の状況
6Gは、単にスマートフォンの通信速度を上げる技術ではありません。AIが大量のデータを瞬時に処理するための「社会・産業の神経網」へ進化していくための手段として使える技術です。6Gは、ITU(国際電気通信連合)が「IMT-2030」という国際標準化を進めており、2026年2月には技術性能要件がまとまりました。6Gの候補技術の提出は2027~2029年、最終的な標準化は2030年ごろが想定されています。現在はまだ6Gの商用サービスが一般化している段階ではありません。しかし、世界ではすでに、技術要件の決定 、周波数の検討、標準化、実証実験、AIとの融合、衛星通信との融合、センサーとの融合が進んでいます。ITUでは6GをIMT-2030と呼び、2026年2月に20項目の技術性能要件をまとめました。
6Gの特徴としては、5Gが「高速・大容量・低遅延」だったのに対し、6Gではさらに、「AIそのものが通信ネットワークに組み込まれる」方向に進みます。ITUが想定する6Gには、超高速通信、超低遅延、高信頼通信、AIと通信の融合センシングと通信の融合、あらゆる場所への接続、高精度測位、災害時のレジリエンス、省電力などがあります。理想的なピークデータ速度としては50~200Gbps級、通信遅延は0.1~1ms級が想定されています。
2.世界の情勢
6Gは、単なる通信産業の競争ではなくなっています。6Gは、「通信+AI+半導体+クラウド+衛星+安全保障」という巨大な産業基盤になります。特に重要なのが、AIです。生成AIやフィジカルAIが普及すると、
「カメラ → センサー → 通信 → GPU → AI → 判断 → ロボット」
という膨大なデータの流れが発生します。そのため「AIを高速に動かせる通信インフラ」が国家の競争力になります。ITUの6G構想にも、AIと通信(AIAC:通信とセンシングの融合(ISAC))が明確に組み込まれています。
3.日本の状況
「6G」と「IOWN」を組み合わせるという戦略が注目されます。IOWNはNTTが進める次世代ICT基盤で、「超高速・大容量+超低遅延+低消費電力」を目指しています。つまり、6G=無線側の次世代通信に対して、IOWN=光を中心としたネットワーク・コンピューティング基盤と考えると分かりやすいです。そして、すでに実証段階に入っています。例えば2026年7月、NTTドコモビジネスは、IOWN APNを利用して全国8拠点にGPUを分散配置する「GPU over APN Testbed」を開始しました。100Gbps級の低遅延・高速大容量通信によって、離れた場所にあるGPUを一体的に利用し、分散AI学習・AI推論などを検証しています。これは非常に重要です。つまり、「AIを1カ所のデータセンターだけで動かす」のではなく、「全国に分散した計算資源を高速通信で一つのAI基盤のように使う」方向に進んでいるわけです。
なぜ「自衛隊基盤」にIOWN・AIなのか。防衛では、ドローン、衛星、レーダー、高精細映像、センサー、無人車両、無人航空機、AI、指揮統制システムなどから大量のデータが発生します。
例えば、「ドローンが撮影⇒映像を高速通信⇒AIが解析⇒異常を検知⇒指揮所へ送信⇒人間が判断⇒別の無人機・部隊が対応」という世界です。このとき通信が遅ければ、AIの能力を十分に使えません。したがって、AIの能力=計算能力×通信能力×データになります。
実際、日本ではIOWNを使った遠隔ロボット操作やAIによるリアルタイム映像解析の実証も行われています。700km離れた場所からロボットを遠隔操作し、映像・音響データをAIで解析する実証も行われました。
4.中小企業の対応について
中小企業が、「6G基地局を自社で作る」必要はありません。
むしろ、「6G・IOWNによって何ができるようになるか」を考えるべきです。
私は中小企業の対応を5段階に分けることをお勧めします。
|
段階 |
中小企業の対応 |
|
① |
通信環境を高速化 |
|
② |
クラウド・AIを導入 |
|
③ |
IoT・センサーを導入 |
|
④ |
AIによる自動判断を導入 |
|
⑤ |
ロボット・自動化につなげる |
例えば工場なら、「カメラ+センサー⇒高速ネットワーク⇒AI画像解析⇒異常検知⇒設備停止・保全」という仕組みです。実際、IOWNを使った工場設備のスマートメンテナンスでは、AIによるリアルタイム異常検知やデジタルツインとの連携が実証されています。
5.アドバンス・キド株式会社の提案
「通信を売る」のではなく「AI時代の経営基盤を作る」という方向にした方がよいと思います。
提案① 「電気代削減→AI投資」
「電気料金削減⇒年間の固定費削減⇒AI投資資金を確保⇒AI・IoT導入⇒省人化・生産性向上⇒さらに利益を創出」という循環です。つまり、「電気代を下げることが、AI時代への投資資金を生み出す」という提案です。
提案②「6G時代の中小企業DX診断」
例えば顧客企業に対して、「5年後の通信・AI対応度診断」を行います。
チェック項目は、インターネット回線、Wi-Fi、IoT、センサー、カメラ 、クラウド、AI、データセンター、サイバーセキュリティ、BCP、非常用電源、蓄電池、自家発電です。そして、「通信」「AI」「電力」「BCP」を一つの経営課題として整理します。
6G、IOWN、AI、データセンターが普及すると、通信量、AI処理、GPU、データセンター、電力消費となります。したがって、「通信革命の次に来る問題は電力問題」になる可能性があります。IOWNが低消費電力を重要な目標にしているのも、AI・データ処理の急増によってネットワークやデータセンターの電力消費が大きな課題になるためです。
「新電力+省エネ+太陽光+蓄電池+BCP+AI+次世代通信」、つまり、通信を変える。AIを変える。そして、会社の未来を変えることです。
「電気代を下げて、AIに投資する。6G・IOWN時代の中小企業経営」が非常に分かりやすいと思います。
そして最終的には、電力コスト削減→ AI投資資金創出→ AI・IoT導入→ 6G・IOWN時代への対応→ 省人化→ 生産性向上→ BCP強化→ 企業競争力向上につながります。
6Gは「未来の携帯電話」の話ではありません。中小企業にとっても、AI・ロボット・省人化・BCP・電力コストを全部つなぐ「次の産業インフラ」の話になってきています。皆さん、次世代通信をいち早く導入して、ビジネスに差をつけましょう。
以 上

