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ホルムズ海峡代替ルートの検討(今後のエネルギー対策)

2026年6月18日の日本経済新聞に「エネ輸送 代替えルート整備」「G7首脳、ホルムズ依存低減」 という記事が記載されてました。内容は、フランスで行われたG7サミットでホルムズ海峡を通らずにエネルギーを輸送できるルートの整備を柱とする主要文書を発表したということです。イランの封鎖で石油・ガス供給が滞った教訓を踏まえ、ホルムズ海峡への依存を減らすとのことです。G7各国が、エネルギー供給ルートの多様化を加速させることに関与するとしました。
ホルムズ海峡は、2026年6月14日にアメリカとイランが戦闘終結に向けた覚書を締結しました。ホルムズ海峡の封鎖を解いても、イランがバラまいた機雷があり、除去するのに1か月はかかると言われてます。調査会社のケプラーによると、2026年6月15日時点でペルシャ湾には、なお1億2000万バレルほどの原油を積んでいるタンカーが滞留してます。今後、ホルムズ海峡を通過できても主要仕向け地であるアジアに原油を届けて中東に戻ってくるまで40日以上かかります。
今回は、エネルギー輸送の代替ルートについて、考察したいと思います
目次
1. 現在の状況(ホルムズ海峡封鎖のインパクト)
2. 世界の検討状況(ポスト・ホルムズ戦略)
3. 日本の検討状況
4. 中小企業の今後の対応
5. アドバンス・キド株式会社の提案
1.現在の状況(ホルムズ海峡封鎖のインパクト)
■ エネルギー市場の現実
- ホルムズ海峡は世界の原油の約20%が通過する最重要ルート
- 中東→アジア(日本含む)のエネルギー供給の生命線
■ 今回の影響
- 原油価格の急騰(投機+供給懸念)
- LNG価格も連動して上昇
- 日本の電力価格(JEPX)も上昇
2.世界の検討状況(ポスト・ホルムズ戦略)
世界は明確に「脱・一点依存」に動いています。
■ ① 代替輸送ルートの構築
- サウジ・UAE → 紅海ルート(パイプライン)
- イスラエル経由ルート構想
- トルコ経由(地中海)ルート
■ ② エネルギー源の分散
- 再生可能エネルギー(太陽光・風力)
- 原子力の再評価(欧州中心)
- シェールガス(米国)
■ ③ LNGの長期契約回帰
- スポット依存 → 長期契約へ回帰
- 価格安定を優先
3. 日本の検討状況
日本はエネルギー自給率が低いため、影響が最も大きい国の一つです。
■ ① 調達先の分散
- 中東依存(約9割)→ 徐々に低減
- 米国・オーストラリア・東南アジア強化
■ ② 原子力発電所の再稼働・活用
- ベースロード電源として再評価
- 次世代原子炉の議論も進行
■ ③ 再エネ+蓄電の推進
- 太陽光+蓄電池
- 企業の自家消費型モデル増加
結論
「安定供給を最優先にした政策へシフト」
4. 中小企業の今後の対応
エネルギーの安定供給を期待しつつ、自社のエネルギー対策をすることが必要になります。状況を考えると電気代はしばらく高くなる傾向にあります。そのため、以下の対応が必要になると思います。
■ ① 電力市場の動向に注意する。
- 日本卸電力取引所(JEPX)の動向に注意する。
- 30分おきに市場取引をしている1Kwの電気代をプロットしているので、電力市場がどういう動きをしているのかチェック。
- 今回の原油市場の混乱や円安で、電力市場の価格に影響を与える場合があります。
経営者としては、今後の電気代がどう動くのかを見極める必要があります。
■ ② 電力契約の見直し
・固定単価 vs 市場連動のバランス
地域電力(東京電力、関西電力、中部電力、東北電力、北海道電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)と新電力(2016年の電力自由化で参入した電力会社)の料金を比較して、電気料金の傾向を理解する必要があります。
■ ③ 使用量の最適化
- デマンドコントロール
- ピークシフト
- 工場の電気のピークを抑えるために、自家発電を併用したりするケースがあります。自家発電以外に太陽光発電や蓄電池の活用でピークを抑えたり、工場のシフトを変えたりするのも良いです。
- 昔、昼間の電力が高いので、夜にシフトして工場を動かした会社がありました。極端な例ですが、どの時間帯に電力を使うのか、どの季節に電力を使うのかを見える化しておくと、良いと思います。
■ ④ 自家消費型エネルギー
- 太陽光+蓄電池
- 非常時対策にもなる
これからは、地球温暖化の影響と地震、防衛の観点からBCPを考える必要があります。災害時に工場やオフィスがきちんと継続できるよう電気や水などを普段から確保できることを考えておく必要があります。
■ ⑤ 「電力=経営リスク」として扱う
⇒ 今まではコスト
⇒ これからはリスク管理対象
5. アドバンス・キド株式会社の提案
エネルギー危機はこれからも続きそうです。そのため、自己防衛を図る必要があります。日本では、AI向けデータセンター、半導体関連の工場、リニアモーターカーなど、電気を多く使う施設が多く建設されます。アメリカでは、データセンターが建設されて、住民に電気が回らない事態が起こってます。
そのため、今後の考え方としては電気代削減ではなく、電力リスクマネジメントとして、電気を安定的に使える環境をいかに構築するかにあります。
まずは、以下のことを考えましょう。
■ ①:電力診断(見える化)
- 過去データ分析
- 今後の市場の動きについて
- 電気代の将来リスクについて
■ ②:最適プラン設計
- 各社のプランを検討
- 業種別による電気の使われ方を検討
■ ③:リスク分散提案
- 蓄電池や太陽光発電の導入検討
- 省エネ機器の導入
- 停電リスクの回避
- 瞬電対策の検討
電気代の見直しは、経営リスク管理です。今は守りの戦略が必要です。
「安い電気」から「強い電気」にする時代です。皆さん、先が見えにくいVUCAの時代ですが、次の動きを予測して、対策を建てるようにしましょう。
以 上

