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コラム

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トヨタ 2025年10月25日 ウーブンシティ始動

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 2025年9月26日の日本経済新聞に「自動運転 日本から再攻勢」「トヨタ「ウーブンシティ」稼働」、「異業種連携 20者参画」というタイトルの記事が掲載されてました。記事の内容は、トヨタ自動車の実証実験都市「ウーブンシティ」(静岡県裾野市)が10月25日に始動したこと。ダイキン工業や日清食品など国内の企業や個人計20者が参加し、実際に住民の暮らす環境下で自動運転などを検証する予定です。アメリカや中国が先行している自動運転ですが、異業種も巻き込んで都市規模での実証で、日本初の次世代モビリティ社会の実現を急ぐプロジェクトです。自動運転車だけでなく、自動運転の街をいかにつくるのか、面白い実験です。今回は、街を巻き込んだ自動運転の将来ついて話をしたいと思います。

目次

  • 自動運転車の状況について
  • アメリカ・中国の自動運転車の状況について
  • 日本の自動運転車の状況について
  • ウーブンシティの自動運転の状況について
  • 中小企業の対応について
  • アドバンス・キド株式会社からのご提案

 1.自動運転車の状況について
 
 日進月歩の成長を続けている自動運転業界。自動運転レベル3の市販車をホンダやメルセデスが既に発売しています。アメリカや中国ではレベル4の自動運転タクシーが街中を走行し始めています。このように世界は、自動運転市場が黎明期から実用化フェーズに移行しつつあります。
 自動運転システムは、車載センサーが取得した映像を元にAIが周囲の状況を把握・分析し、自動車を安全に走行させる判断を行うことが基本となります。センサーが「目」、AIが「脳」の役割を担い、人間のドライバ―を代替する仕組みになります。GPSなどの衛星測位システムも欠かせません。GPSがなくても自律走行そのものは可能ですが、現在地や目的地を認識するための情報がなければどこを走っているのかわからなくなります。カメラやAIの進化によりどこまで人間の能力に近づくことができるのかが試されるが、決して不可能ではない開発領域と言えます。一方、高精度3次元地図を使用する自動運転システムは、当然地図が事前に整備されているエリアでないと走行できませんが、カメラとAIに特化したシステムでも地図データがあれば、初めて走行する道でも自律走行可能な自動運転システムとなります。

 2.アメリカ・中国の自動運転の状況について

 自動車大国であり、自動運転開発が盛んなアメリカでは、グーグル系の自動運転開発企業Waymoが2008年、世界に先駆けて自動運転タクシーを実用化し、自動運転時代の口火を切りました。以後、世界の開発会社はWaymoを追いかける形で開発競争を加速させてます。Waymoは2018年12月にアリゾナ州フェニックスで自動運転タクシーの有料商用サービス「WaymoOne」を開始しました。当初は、セーフティドライバーが同乗し、限られたユーザーを対象にサービスを提供していましたが、対象を徐々に拡大するとともにサービス実証の経験を積み重ね、2019年末までにドライバー不在の無人自動運転サービスを開始しました。物流分野への自動運転技術の導入にも力を入れており、ドイツのダイムラートラックとのパートナーシップをもとに、自動運転トラック「WaymoVia」の実用化に向けた取り組みも加速してます。
 一方、中国は、1100万人都市の人口と450万台の自動車、8車線の高速道路、そして長江の濁流の上にそびえ立ついくつもの橋を抱える中国中部の都市・武漢では、交通量の多い通りで世界最大の無人自動車実験が行われています。500台のタクシーがコンピューターの操作で走り回り、安全確保を補助する運転手を載せていないことも多い状況です。それらのタクシーを運営する大手テック企業のバイドゥ(百度)は、2025年5月に「ロボットタクシー」を武漢でさらに1000台増やすと発表しました。中国全土の16以上の都市が企業による自動運転車の公道テストを許可しており、少なくとも19社の中国自動車メーカーとそのサプライヤーが自動運転分野で世界的な主導権を確立すべく競い合っています。ここまで前のめりに実験を進めている国は中国以外にありません。

 3.日本の状況について

 アメリカや中国には及ばないですが、経済産業省と国土交通省は、レベル4の社会実験を推進するため、「Road to theL4(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト)」を展開してます。レベル4のサービスを4つのテーマに分類し、テーマ1から徐々に高度化させていく戦略を取ってます。レベル4は、一定の条件下で無人での自動運転が可能な状態です。
 日本で最初にレベル4の認可を取得したのは福井県永平寺町です。2023年5月からレベル4での運行を開始しました。曹洞宗大本山永平寺の参道入り口である「志比」「荒谷」停留所の間約2Kmを結んでます。積雪のある冬を除き、土日祝の日中に運行してます。運賃は大人100円、小人50円です。車両はヤマハのゴルフカートがベースになっており、最高時速12kmの低速で走行します。このカートに産業技術総合研究所(産総研)が開発した自動運転技術を搭載してます。他に羽田イノベーションシティ、三重県多気町などが運用してます。

 4.ウーブンシティについて

 ウーブンシティでは、街全体で自動運転ができる環境を整えてます。ある条件下という制約が一番ない状況で運用されます。自動運転で車をけん引する機器を検証したり、乗降場所を5か所に設け、アプリで車を呼び出したり、1人乗りの乗り物を20台配置したりしてます。地下空間では、自動運転の物流ロボットが荷物を運び、エレベーターに乗って、各家庭まで届けます。完全自動運転を見据え、電気自動車イーパレットも走らせ、特定条件下で運転手が不要の「レベル4」に相当する技術を2027年度にも搭載する目標にしてます。今回始動した区域には数世帯が住み始め、将来は300人が住む街にする予定です。
 ウーブンシティは、異業種との連携をテーマにしてます。アメリカや中国とは、一味違う安全性を重視した都市を実現できる様な自動運転社会を目指してほしいです。

 5.アドバンス・キド株式会社からのご提案

 人手不足、高齢化社会というテーマに自動運転は欠かせないピースだと思います。ただ、車をなんとかすればよいということではなく、街としてどう対応していくのかを考えなければいけません。例えば、自動運転車の行き先を設定し、道路を走っていくと、100m先で事故が起きてたとしたら、すぐに他のルートで人が少なく自動車が走りやすい道路を街の情報から検索する必要があります。自動運転に対応することは、街全体を情報化しないといけません。そして、無人の自動車での運用が必要な場所は、大都市はもちろん、過疎の町も必要になります。過疎の町を情報化し、無人タクシーなどを走らせて、人を呼び込む仕掛け作りが必要になります。その街の情報を提供していくこと、買い物難民をつくらないこと、コミュニティを保持すること、課題を解決するために、我々がやることはたくさんあります。来るべき自動運転時代の街作りに向けて、固定費を削減し、各々の会社の情報化を推進し、ビジネスの情報、及び身の回りの出来事を情報発信してみてはいかがでしょうか。皆さん、明るい未来を創りましょう。                                                    

                                  以 上

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