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コラム

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介護施設の固定費削減を図るには?高騰の理由から経営への影響、効果的な取り組みまで解説

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 介護保険制度のもとで運営される介護施設は、収入の大半を介護報酬に依存しており、価格への転嫁が難しい構造にあります。そのため、固定費の増加はそのまま利益を圧迫する要因となります。なかでも電気代の高騰は、多くの施設が直面している課題ではないでしょうか。
 本記事では固定費が高くなる背景から経営への影響、今日から着手できる対策を解説します。

固定費が高い理由

 介護施設では24時間体制のケアが前提であり、一般的な事業所とは異なる費用構造を抱えています。固定費、とりわけ電気代が高止まりする背景を解説します。

光熱費の負担

 24時間体制のケアを行う介護施設では、空調や照明を状況に応じて長時間稼働させる必要があります。夜間も暖房や照明を止められず、光熱費は一般的な事業所より高水準になりやすい傾向があります。
 入浴介助や給湯にも多くの電力を使い、季節を問わず負担が続きます。加えて、入所者の体調管理を優先する施設ほど、空調の稼働時間は長くなりがちです。省エネと安全のバランスを取ることが、光熱費対策の出発点になるでしょう。

電気代を押し上げる設備

 入浴設備や厨房機器、空調システムなど、消費電力の多い設備が数多く稼働しています。見守りセンサーなどの機器が増えることでも、全体の消費電力量は積み上がっていきます。
 特に古い設備を使い続けることは、消費効率が落ちて電気料金が増加する直接的な原因になります。設備ごとに導入時期がばらばらで性能差があることから、まずは定期的な点検を通じて、老朽化した機器を早期に洗い出しておくことが大切です。

デマンド値とは

 高圧受電施設において、基本料金の決定基準となるのがデマンド値(30分ごとの平均使用電力)です。契約電力は過去12か月間の最大値で決まる仕組みとなっており、一度でも高い数値を記録すると、その後1年間は基本料金が高止まりしてしまいます。空調の一斉稼働などで数値は跳ね上がりやすいため、まずは各設備の特徴を押さえましょう。

 代表的な設備の消費傾向は、主に次の3点です。

  • 特殊浴槽:長時間の保温で電力を消費し続ける機器
  • 厨房機器:調理と消毒で稼働時間が長い設備
  • 空調システム:居室と共用部に同時に負荷がかかる機器  

 設備ごとの消費傾向を把握しておけば、削減の優先順位を判断しやすくなります。

経営への影響

 電気代の上昇は、単なる支出増にとどまらず、利益率や資金繰りにも波及します。固定費の高騰が経営に与える影響を整理しましょう。

経費に占める割合

 介護施設の経費では、人件費に次いで光熱費が大きな割合を占めています。特に売上規模が小さい施設ほど、固定費の負担が相対的に重くなる傾向があります。収入を左右する介護報酬は一律であるため、価格転嫁や経費の自由な調整は容易ではありません。人件費の削減には限界があるからこそ、調整余地のある光熱費の見直しが重要視されています。

利益率への影響

 電気代が上がれば、その分だけ経営に残る収益は圧縮されます。介護報酬は毎年改定されるわけではなく、固定費の増加分を価格に転嫁する余地もほとんどないため、運営資金の余裕が乏しくなる状況が増えています。とりわけ小規模な施設ほど、電気代の変動が経営全体の数字に直接響きやすい構造にあります。収益性を守るには、固定費の削減に着手できたかどうかで差が生まれます。

放置するリスク

 固定費の増加を放置すると、修繕費や人材への投資資金が削られ、設備の老朽化が進む悪循環に陥りかねません。数年単位で放置するほど累積損失は膨らむことから、早期の見直しが必要です。

 利益率への影響は、以下の項目に分かれて表れます。

  • 営業利益率:電気代上昇分がそのまま反映される指標
  • 人件費への影響:光熱費高騰による処遇改善や採用費への投資抑制の圧力
  • 借入依存度:設備投資を借入に頼る割合の増加

 利益率への影響は数字として表れる性質上、早期の把握が対策の起点となります。

今すぐできる対策

 大がかりな投資をせずとも、日々の運用見直しだけで電気代を抑えられる場面は数多くあります。今日から着手できる具体的な方法を解説します。

照明・空調の見直し

 照明はこまめな消灯を徹底し、空調は環境省が推奨する「冷房28度、暖房20度」を目安にしつつ、入所者の体調管理を最優先に考えることが大切です。まずは事務室や共用部など、影響の少ない場所から設定を見直すと安心です。

 また、定期的なフィルター清掃を行えば、空調効率の低下を防ぐことができます。温度設定の変更は時間をかけて慎重に進め、職員間で管理のルールを共有しておくことで、無理のない範囲で節電を続けやすくなります。

LED化の効果

 照明をLEDに切り替えると、白熱電球に比べて消費電力を大幅に減らせます。導入コストはかかるものの、寿命が長く交換の手間も減るという利点があります。自治体によっては補助金制度が用意されている場合もあり、負担を抑える助けとなります。交換作業自体は施設を稼働させながら順次進められるため、大がかりな休止を伴わずに導入できる点も扱いやすさにつながります。

デマンド値の抑え方

 空調や厨房機器の稼働時間をずらし、同じ時間帯に電力が集中しない工夫が有効です。デマンド監視装置を導入すれば、使用電力が上がりすぎる前に自動で制御されます。ピークの時間帯を把握し、設備の稼働を分散させることが基本料金の抑制に結びつきます。厨房の調理時間と空調の立ち上げ時間が重なりやすい施設ほど、この工夫の効果は大きく表れるでしょう。

 デマンド値の抑制には、以下3つのアプローチが効果的です。

  • 稼働時間の分散:厨房と空調のピーク重複を避ける工夫
  • デマンド監視装置:設定値超過前の自動制御機能
  • ピークカット:夏冬の特定時間帯の温度調整

 これら3つを組み合わせれば、契約電力そのものを引き下げやすくなります。

電気契約の見直し方

 日常の節電対策と合わせて、電気契約自体の見直しも検討したいポイントです。ここからは、具体的なプランの見直し方について解説します。

新電力のメリット

 新電力への切り替えにより、従来より安いプランを選べる可能性があります。送配電は既存の電力会社がそのまま担当する仕組みとなっており、電気の品質や安定性は一切変わりません。
 ただし、市場価格の動きに左右される料金プランも増えています。契約の中身や事業者の経営状況を事前にしっかり見極め、納得したうえで比較検討を進めることが重要です。

高圧・低圧の選び方

 施設の受電形態が高圧か低圧かによって、選べるプランや料金体系は異なります。高圧施設はデマンド値の管理が料金に直結することから、契約内容の細かな確認が欠かせません。低圧施設でも、主開閉器契約への見直しで料金を抑えられることがあります。設備の稼働状況によって適した契約方式は変わるので、一度専門家に相談してみるのもよいでしょう。

切り替えの注意点

 電気契約を変更する際は、料金だけでなく運用のスケジュールも考慮する必要があります。事前にチェックしておきたい主な項目は以下のとおりです。

  • 工事や手続きの有無:移行までに要する準備期間や、立ち会い工事が発生するかどうかの事前確認
  • 現行契約の解約金:現在のプランを解約する際に、違約金や手数料などの余計なコストが発生しないかの確認
  • 適切な切り替え時期:移行直後の料金高騰を避けるべく、デマンド値が下がりやすい季節の選定

 事前の確認を怠るとかえって負担が増えるリスクもあります。現行の契約内容をしっかり把握した上で手続きを進めましょう。

まとめ

 介護施設の固定費は、24時間体制のケアや設備の特性によって高くなりやすいものです。光熱費の増加は利益率を圧迫し、放置すれば将来の投資余力も失われてしまいます。照明や空調の見直し、契約プランの再検討など、着手しやすい対策から始めてみましょう。無理のない範囲で少しずつ取り組むだけでも、数字は着実に変わっていくはずです。
 電気代を抑える手段として、新電力への切り替えも選択肢の一つです。アドバンス・キドでは、施設の使用状況に応じた電力プランをご提案しています。固定費の見直しをご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。

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