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コラム

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グリコ53%減益について!!

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 8月15日の日経新聞の記事に、グリコの収益についての記載がありました。グリコは、1月から6月期の連結決算で、システム障害が影響し、前年同期比で純利益が53%減の36億円になりました。この減益の主要因は、2024年4月3日に調達や出荷を一元管理する基幹システムを切り替えたことによる障害です。システムの切り替え直後に障害が発生し、実際に倉庫にある在庫数とシステム上の数字が一致せず、4月中旬からプッチンプリンやカフェオーレなどの主力の17ブランドの出荷が停止されました。現在でも一部の製品は出荷ができません。システム障害は、2024年1月~6月期の売上高を150億円、営業利益を36億円を押し下げました。1月~6月期の売り上げは、1,540億円、営業利益は10%増の88億円でした。出荷が出来ずに賞味期限が切れた商品の廃棄などで特別損失56億円を計上し、純利益は53%減の36億円に落ち込みました。
上記のことから、ちゃんと動いて当たり前のシステムがおかしくなると、大変なことになるのがよくわかります。グリコでは社内にITの司令塔を置いていなかったとのことです。グリコだけでなく、システム部門をアウトソーシングして、外部に任せるやり方はだいぶ前から日本の企業では行われております。そのため、会社にITの取りまとめ者がいないのは、グリコに限ったことではありません。ただ、システムの障害が売り上げに直結した今回の事象は、このままでよいのか?考えさせられる事象です。
 日本では、バブル経済が崩壊した1900年代に情報システム部門をリストラ対象として、外部に切り離した会社が多かったです。それまで、その会社のシステムに携わっていたシステムエンジニアは、その会社以外のシステムも担当することになります。そのため、その会社に蓄積されたノウハウは、きちんと整理されなかった危険性があります。その会社のシステムに詳しいシステムエンジニアが退職していなくなると、システムがブラックボックス化します。このブラックボックス化したシステムが障害の要因になると、解決策は、そのプログラムを分析して対応策を考えることになり、対応に時間がかかることになります。当然、売り上げに影響を与えるものと思われます。
 少し前の話になりますが、みずほ銀行で銀行のシステムの障害が何度か起こりました。障害は新システムに更改したあとに起こりました。この障害の時、そのプログラムを作成したシステムエンジニアは、保守要員として現場におらず、他の仕事をしていた様です。そのため、どこに問題があるのかわからず、対応に時間がかかったとのことです。
 ITが進んだ時代に、作った人に依存しているシステムは、なんなのか。IT業界としては、人に依存しないシステムを目指したいものです。また、日立時代には、よく見かけましたが、マニュアルを作ることです。簡単ではないですが、誰でも対応できるようにするのが大事だと思います。マニュアル作りやシステムへの投資を怠ると、痛い目に合ってしまいます。2025年問題が迫ってます。今から混乱しないように自社のシステムの現状を理解し、対策が必要な場合は、対策をしていきましょう。

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