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コラム

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電気容量の調べ方を解説!オフィスや店舗で必要な電気容量はどれくらい?

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オフィスや店舗を新たに開設する際、または移転する際に「電気容量は足りるのか?」「どのくらいの契約容量が必要なのか?」と不安に感じることはありませんか?電気容量が不足すると業務に支障をきたしてしまい、逆に過剰な契約は電気代の無駄遣いにつながってしまいます。

本記事では、現在の電気容量の調べ方から、オフィスや店舗で必要な電気容量の計算方法、適切な契約容量の選び方まで、わかりやすく解説します。

電気容量とは?わかりやすく解説

オフィスや店舗運営をする上で、「電気容量」という言葉はよく耳にするかもしれません。ここでは、電気容量の基本的な意味から消費電力との違い、適切な計算方法などを解説します。

電気容量の定義と単位

電気容量とは、建物全体や特定の場所で一度に使える電気の最大量を示すものです。この容量を超えて電気を使用すると、安全装置であるブレーカーが作動し、電気が遮断される仕組みになっています。オフィスや店舗では、業務を円滑に進めるために適切な電気容量の確保が不可欠です。

電気容量を表す単位は、主に「アンペア(A)」と「キロボルトアンペア(kVA)」の2種類があります。一般家庭では「アンペア(A)」で契約容量を示すことが多く、たとえば「30A契約」「40A契約」といった形で目にします。

一方、オフィスや店舗などの大規模な施設では、「キロボルトアンペア(kVA)」が用いられるのが一般的です。これは、単に電流(A)だけでなく、電圧(V)も考慮した電力の大きさを示す単位であり、より多くの電力を扱う事業用施設に適しています。

電気容量は、電力会社との契約によって定められており、この契約容量が大きいほど、同時に多くの電気機器を使用できるようになります。適切な電気容量を選ぶことは、電気代の基本料金にも影響するため、事業の規模や使用する機器に合わせて慎重に検討する必要があります。

電気容量と消費電力の違い

電気容量と消費電力は、どちらも電気に関する量を示す言葉ですが、その意味合いは大きく異なります。

電気容量

建物全体や特定の場所で「一度に使える電気の最大量」を指します。これは、電力会社との契約によって定められる上限値であり、単位はアンペア(A)やキロボルトアンペア(kVA)で表されます。例えるなら、水道管の太さのようなもので、一度に流せる水の量(電気)の最大値を示します。

消費電力

個々の電気機器が「実際に使用する電気の量」を指します。エアコンやパソコン、照明器具など、それぞれの機器が動作するために必要な電気の量であり、単位はワット(W)やキロワット(kW)で表されます。例えるなら、個々の蛇口から出る水の量に相当します。

この二つの関係性は、建物全体の電気容量(水道管の太さ)が、個々の電気機器の消費電力(各蛇口から出る水の量)の合計を上回っていなければならない、という点で重要です。もし、同時に使用する機器の消費電力の合計が電気容量を超えてしまうと、ブレーカーが落ちて停電してしまいます。

そのため、オフィスや店舗では、導入する機器の消費電力を把握し、それに見合った電気容量を契約することが求められます。

電気容量の計算方法

オフィスや店舗で必要な電気容量を計算する際には、主に以下の手順で進めます。

使用する電気機器の消費電力を把握する

オフィスや店舗で使用する全ての電気機器(照明、エアコン、パソコン、冷蔵庫、調理器具、複合機など)の消費電力(WまたはkW)を確認します。消費電力は、機器の取扱説明書や本体の銘板に記載されています。

同時使用する機器の消費電力を合計する

全ての機器を常に同時に使うわけではないため、通常時に同時に使用する可能性のある機器を選定し、それらの消費電力を合計します。例えば、ランチタイムに電子レンジとコーヒーメーカーを同時に使う、といったピーク時の状況を想定します。

合計消費電力を電気容量(AまたはkVA)に変換する

合計した消費電力(W)を、契約容量の単位であるアンペア(A)またはキロボルトアンペア(kVA)に変換します。変換には、以下の基本的な計算式を用います。

単相2線式(一般家庭の一部、小規模店舗)

アンペア(A)= ワット(W)÷ 電圧(V)

※日本の一般的な電圧は100Vまたは200Vです。

三相3線式(多くのオフィス・店舗)

キロボルトアンペア(kVA)= ワット(W)÷ 1,000 ÷ 力率(通常0.8〜0.9程度)

※正確な計算には力率を考慮する必要がありますが、概算では「W ÷ 1,000」でkWを求め、それを元にkVAを算出します。

例えば、合計消費電力が5,000W(5kW)で、単相2線式100Vの場合、必要なアンペア数は 5,000W ÷ 100V = 50A となります。

余裕を持たせた容量を設定する

計算で求めた数値に、将来的な機器の追加や突発的な使用増に備えて、10%~20%程度の余裕を持たせた容量を設定することが推奨されます。これにより、ブレーカーが頻繁に落ちるリスクを減らし、安定した事業運営が可能になります。

これらの計算はあくまで目安であり、最終的な契約容量の決定には、電力会社や専門の電気工事業者と相談することをおすすめします。

【業界別】平均的な電気容量の目安

現在の電気容量の調べ方【5つの方法】

オフィスや店舗の現在の電気容量(契約容量)を正確に把握することは、適切な電力プランの選択や将来的な設備増設の計画において非常に重要です。ここでは、具体的な5つの確認方法を解説します。

方法①:電気料金の検針票・請求書を確認する

毎月届く電気料金の検針票やWeb上の請求書には、現在の契約容量や契約アンペア数が記載されています。「ご契約種別」「契約容量」「契約電力」といった項目を探し、記載されている数値を確認しましょう。特に、高圧・特別高圧契約の場合は「契約電力」としてkW(キロワット)単位で表示されていることが一般的です。

方法②:契約アンペアブレーカーを確認する

建物の分電盤内にある契約アンペアブレーカー(主幹ブレーカー)には、契約しているアンペア数(A)が色分けや数値で表示されています。

例えば、東京電力エリアでは30Aは緑、40Aは灰、50Aは茶など、色で判別できる場合もあります。このブレーカーが落ちることで、契約容量を超えた電気が使われたことがわかります。ただし、低圧電力契約の場合に確認できる方法であり、高圧契約などでは設置されていない場合があります。

方法③:分電盤の表示を確認する

分電盤のカバーや内部に、契約容量に関する情報が記載されていることがあります。主幹ブレーカーだけでなく、分電盤全体に貼られたシールや銘板に「契約容量」や「定格電流」などの表示がないか確認してみましょう。特に古い建物の場合、ブレーカー本体に表示が薄れていることもあるため、分電盤全体をくまなくチェックすることが有効です。

方法④:電力会社に問い合わせる

最も確実な方法は、契約している電力会社に直接問い合わせることです。電話やWebサイトの問い合わせフォームから、契約者情報(契約名義、住所、お客様番号など)を伝えて現在の契約容量を確認できます。特に、検針票が見当たらない場合や、専門的な情報が必要な場合に推奨される方法です。

方法⑤:電力会社のWebサービスで確認する

多くの電力会社では、契約者向けのWebサービス(例:東京電力エナジーパートナーの「くらしTEPCO web」、関西電力の「はぴeみる電」など)を提供しています。

これらのサービスにログインすることで、契約情報ページから現在の契約容量や過去の電気使用量などを簡単に確認できます。24時間いつでも確認できるため、手軽な方法として活用しましょう。

オフィス・店舗で必要な電気容量の計算方法

オフィスや店舗で必要な電気容量を計算するには、現在使用している、または今後使用する予定の全ての電気機器の消費電力を把握し、同時に使用する割合を考慮する必要があります。主な計算方法は以下の通りです。

まず、各電気機器の消費電力(WまたはkW)をリストアップします。機器の定格銘板や取扱説明書に記載されています。次に、これらの機器が同時に稼働する可能性のある最大の合計消費電力を算出します。例えば、エアコン、照明、PC、複合機、冷蔵庫などが同時に稼働する状況を想定します。

合計消費電力(W) = 各機器の消費電力(W)の合計

この合計消費電力をkWに変換し、さらに余裕を持たせるために、実際の使用状況に合わせて「デマンド係数」や「力率」を考慮に入れることが重要です。

特に高圧契約の場合、契約電力は「最大デマンド値」(30分間の平均電力の最大値)に基づいて決定されるため、ピーク時の電力使用量を正確に予測する必要があります。専門的な計算が必要な場合は、電気工事士や電力会社に相談することをおすすめします。

業種・規模別の電気容量の目安

小規模オフィス(従業員10名程度)の場合

従業員10名程度の小規模オフィスでは、主にパソコン、照明、エアコン、複合機、冷蔵庫、電子レンジなどが使用されます。

一般的な目安としては、30Aから50A程度の契約容量が適切とされることが多いです。ただし、エアコンの台数や種類、電気ケトルなどの瞬間的に高出力な家電を同時に使用する頻度によって、必要な容量は変動します。

中規模オフィス(従業員30〜50名程度)の場合

従業員30名から50名程度の中規模オフィスでは、パソコンの台数が増えるほか、大型の業務用エアコン複数台、サーバー、給湯器、ウォーターサーバーなどが稼働します。

この規模になると、50Aから100A以上の契約容量が必要となるケースが多く、場合によっては業務用エアコンや給湯器のために動力(三相200V)契約が必要となることもあります。最大需要電力(デマンド値)を考慮した電力契約が重要になります。

美容室・理容室の場合

美容室や理容室では、ドライヤー、パーマ機、シャンプー台の給湯器、エアコン、照明、洗濯機など、高出力の電気機器を同時に使用する機会が多くあります。

特にドライヤーやパーマ機は瞬間的に大きな電力を消費するため、ブレーカーが落ちないよう余裕を持った容量設定が不可欠です。目安としては40Aから60A程度が一般的ですが、セット面数や使用する機器の種類・台数によって大きく変わるため、事前に総消費電力を計算することが重要です。

飲食店・カフェの場合

飲食店やカフェでは、業務用冷蔵庫・冷凍庫、IH調理器、オーブン、食洗機、コーヒーメーカー、エアコンなど、厨房機器を中心に多くの電力を消費します。

特に厨房機器は高出力のものが多く、単相100Vや200Vだけでなく、三相200Vの動力契約が必要となるケースが非常に多いです。一般的な目安としては50Aから100A以上、または動力契約が適切とされます。ピーク時の電力消費を正確に把握し、適切な契約容量を選ぶことが経営効率に直結します。

小売店舗の場合

小売店舗では、照明、エアコン、POSレジ、防犯カメラ、BGM機器のほか、商品陳列用のショーケースや冷蔵ケース、冷凍ケースなどが主な電力消費源となります。

店舗の広さや取り扱う商品(特に冷蔵・冷凍品が多い場合)によって必要な電気容量は大きく異なります。一般的な目安としては40Aから80A程度が想定されますが、ショーケースの台数やタイプ、営業時間中の連続稼働時間を考慮し、余裕を持った契約容量を選ぶことが重要です。

電気容量を最適化して電気代を削減する方法

現状の電気使用状況を把握する

電気代を削減するための第一歩は、現在の電気使用状況を正確に把握することです。オフィスや店舗の月々の電気使用量や、時間帯ごとの消費電力の推移を確認しましょう。

スマートメーターが導入されている場合は、電力会社のWebサービスを通じて詳細なデータを確認できます。これにより、どの時間帯にどれくらいの電力を消費しているのか、ピーク時の電力使用量が契約容量に対して適切かなどを分析することが可能になります。

無駄な電力消費がないか、また現在の契約アンペア数が事業規模に対して過剰ではないかを見極める重要なプロセスです。

電力プランの見直しで大幅削減を実現

現在の電気使用状況を把握したら、電力会社の料金プランを見直しましょう。多くの電力会社は、時間帯別料金プランや、特定の曜日・時間帯に割引が適用されるプランなど、多様な料金体系を提供しています。

例えば、夜間の電力消費が多い業種であれば夜間割引プラン、日中のピーク時を避けて電力を使用できる場合はピークシフト割引などが有効です。

また、現在の契約アンペア数が事業実態に合っているかどうかも重要です。過剰な契約容量は基本料金を押し上げる原因となるため、適切なアンペア数への変更を検討することで、基本料金を削減できる可能性があります。

新電力会社への切り替えメリット

2016年の電力自由化以降、従来の地域電力会社だけでなく、様々な新電力会社が市場に参入しています。新電力会社は、独自の料金プランやサービスを提供しており、現在の電力会社よりも電気代を安くできる可能性があります。

例えば、ガスやインターネット回線とのセット割引、再生可能エネルギーを重視したプラン、特定の業種に特化した割引など、多種多様な選択肢があります。

複数の新電力会社の料金プランを比較検討し、自社の事業形態や電力使用状況に最も適した会社に切り替えることで、電気代の大幅な削減が期待できます。切り替え手続きは比較的簡単で、工事も不要な場合がほとんどです。

電気容量の調べ方でよくある質問

Q1. 契約容量を下げることはできますか?

はい、契約容量を下げることは可能です。契約容量(アンペア数)を下げることで、電気料金の基本料金を削減できるメリットがあります。ただし、一度に多くの電気機器を使用するとブレーカーが落ちやすくなるリスクがあるため、現在の電気使用状況を十分に把握した上で、電力会社に相談して検討することをおすすめします。

Q2. 電気容量の変更にはどのくらい時間がかかりますか?

電気容量の変更にかかる時間は、申し込み内容や電力会社の状況によって異なりますが、一般的には数日から数週間程度が目安です。工事を伴う場合はさらに時間がかかることもあります。正確な期間については、契約している電力会社に直接問い合わせて確認するのが確実です。

Q3. 電気容量はどこで確認できますか?

ご自身の電気容量を確認する方法はいくつかあります。主な方法としては、電気料金の検針票や請求書、ご自宅やオフィスの分電盤にある契約アンペアブレーカーの表示、または電力会社のWebサービスやカスタマーサービスへの問い合わせなどがあります。

Q4. コンセントの電気容量を調べる方法は?

コンセント自体の電気容量は、通常、コンセントや壁のプレートに「15A」や「20A」などと表示されています。これはそのコンセントが安全に使用できる最大電流を示しています。また、コンセントが接続されている回路全体の電気容量は、分電盤で確認することができます。使用する電気機器の消費電力(W)とコンセントの容量(A)を考慮し、安全な範囲内で使用するようにしましょう。

まとめ:電気容量の適正化で経営効率を向上させよう

本記事では、電気容量の基本的な見方から計算方法まで解説してきました。しかし、いざ見直しをしようにも「どの電力会社を選べば良いのか」「自社に最適なプランはどれか」を、数ある選択肢の中からご自身で判断するのは容易ではありません。

アドバンス・キドは、お客様の電気使用状況をプロの視点で詳細に分析し、経営が安定した信頼できる新電力会社から、貴社に最適な料金プランをご提案いたします。

年間最大30%の電気代削減という多数の実績はもちろん、削減によって生まれたコストの有効活用まで、お客様の経営改善をトータルでサポートできるのが私たちの強みです。

ご相談や料金シミュレーションは無料で対応可能です。まずは、貴社の電気代がどれだけ削減できる可能性があるのか、確かめてみませんか?ぜひお気軽にお問い合わせください。

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