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異常気象と経済と電力について

2026年10月7日と10月9日の日本経済新聞に「異常気象と経済」という上下シリーズで「農作物不作、物価高要因に」「想定外の37日の連続雨」「偏る水資源 AIも脅威に」「欧州の原発止めた熱波」というタイトルの記事が記載されました。内容は、気象庁が6月の時点で7月~9月の平均気温について、全国的に平年より高く、降水量はほぼ平年並みの見通しと発表してました。ところが、東京都心では台風が相次ぎ接近し、秋雨前線も停滞し、8月下旬から記録的な長雨になりました。9月の東日本太平洋側の日照時間は1946年以降、最も短かったとのことです。東京都中央卸売場のレタス類の卸値は9月下旬、前年同期の2.4倍に跳ね上がり、長野県では日照不足と低温でレタスが小玉傾向となっています。後続産地の茨城県は9月の大雨により一部で浸水被害がありました。食卓に年間を通じて野菜を届けてきた「産地リレー」がきしんでます。伊藤忠総研は「豪雨や猛暑などの異常気象が食品価格に影響を及ぼしている」と指摘してます。総務省の消費者物価指数では、9月の生鮮食品の価格は5年前に比べ23.5%上昇しました。生鮮以外の食料も28.8%上がりました。
また、世界的にもハンガリーのパクシュ原子力発電所が7月末~8月、熱波で原子炉の冷却水を取り入れるドナウ川の水位が低下し、3基が停止に追い込まれました。残りの1基も出力低下を余儀なくされました。ルーマニアでもドナウ川の水位低下でルーマニア唯一のシェルナボダ原発2基が停止し、ルーマニア政府は「エネルギー非常事態」を宣言しました。2024年時点で欧州連合(EU)域内の発電量の23%を原子力発電所が占めてます。高温や干ばつが常態化すれば安定電源の役割を果たせなくなる恐れがあります。
再生可能エネルギーへの影響は深刻です。アフリカ南部のザンビアとジンバブエが共同利用するカリバダムでは近年の深刻な干ばつで貯水量が急減し、水力発電に影響が出ました。2024年末には長時間停電が発生し、基幹産業の銅鉱山や精錬作業に打撃を与えました。各地で発生する異常気象は世界経済の新たなリスクになりつつあります。大西洋と太平洋を結ぶ海上輸送の要所であるパナマ運河は9月に、水不足で2年ぶりに本格的な通航制限を行いました。
今回は、異常気象の影響について言及します。
目 次
1.異常気象による経済的ダメージと日本の電気代への影響
2.世界への影響について
3.日本への影響について
4.中小企業の対応について
5.アドバンス・キド株式会社の提案について
1.異常気象による経済的ダメージと日本の電気代への影響
① 異常気象は企業の利益を二重に圧迫する
長雨や日照不足は野菜の生育や収穫、出荷に影響し、食品価格を押し上げる可能性があります。経済的なダメージは次のように広がります。
- 農業: 不作、品質低下、収穫量減少による農家の収入悪化
- 食品・外食: 食材の仕入れ価格上昇による利益率低下
- 製造業: 原材料価格の上昇、工場の浸水や停電による生産停止
- 物流・小売: 道路寸断、配送遅延、商品の欠品
- 建設・観光: 工事中断、旅行需要の変動、設備復旧費の増加
特に中小企業は、大企業と比べて価格転嫁や代替調達が難しい場合があり、利益への影響が大きくなり得ます。
② 異常気象はなぜ電気代を上昇させるのか
・猛暑:電力需要の増加
冷房の稼働時間が長くなり、工場や商業施設の電力使用量が増えます。需給が逼迫すると市場価格が上昇する可能性があります。
・熱波・渇水:発電能力の低下
原子力・火力発電所では冷却水の確保や排水温度の制約が問題になり、出力抑制が必要になることがあります。
・干ばつ:水力発電の減少
河川やダムの水量が不足すると水力発電量が低下し、不足分を火力発電などで補う必要が生じます。
・長雨・日照不足:太陽光発電の減少
発電量が減る時間帯には、他の電源による補完が必要になります。ただし、雨の日は冷房需要も減る場合があります。国際エネルギー機関(IEA)も、猛暑による需要増加や降水不足による水力発電量の減少が、電力需給に影響すると指摘しています。
③ 日本の電気料金への影響
重要なのは、電力市場価格の上昇が、すべての企業の電気料金に同じように反映されるわけではないことです。
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契約形態 |
異常気象の影響 |
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市場連動型 |
卸電力市場の価格変動が |
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燃料費調整 |
LNG・石炭などの燃料価格 |
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固定単価型 |
契約期間中の単価変動を |
市場連動型の新電力は、市場価格が安い時間帯には有利ですが、猛暑や発電不足によって市場価格が高騰すると、電気代も増えるリスクがあります。一方、地域電力会社の料金も燃料費調整や契約条件によって変わるため、必ずしも市場連動型より安全・安価とは限りません。
2.世界への影響について
① 欧州では熱波が原子力発電に影響
原子力発電所は、発電時に大量の熱を発生させます。そのため、冷却用の水が重要です。
猛暑が発生すると、
- 河川の水温が上昇する
- 冷却効率が低下し、温排水による河川環境への影響も大きくなる
- 環境規制や安全上の制約により発電出力を抑える
- 不足分を別の発電設備で補う必要が生じる
という問題が発生します。
実際に2025年の欧州の熱波でも、フランスやスイスで原発の出力抑制が発生しました。
ここで注目すべきことは、原子力発電所が燃料価格の変動を受けにくい電源であっても、気象条件による供給リスクから完全には自由ではないという点です。
② 世界の経済的損失
2026年の欧州の熱波について、欧州5カ国の社会・経済的影響を約1,122億ユーロ(約20.2兆円)とする推計も報じられています。これは一定のモデルに基づく推計であり、確定した実損額ではありません。影響は、農業被害、労働生産性の低下、医療負担、エネルギー需要の増加など、多方面に及びます。
③ AIデータセンターと水・電力の争奪
もう一つ重要なのが、AIデータセンターの拡大です。AIデータセンターは大量の電力を消費し、冷却方式によっては多くの水も必要になります。IEAの見通しでは、世界のデータセンターの年間電力消費量は次のように増加します。
今後、地域によっては次のような競合が強まる可能性があります。
- 住民生活に必要な電力と水
- 工場の生産活動に必要な電力と工業用水
- AIデータセンターの電力と冷却水
- 農業に必要な灌漑用水
ただし、データセンターの水使用量は冷却方式や立地によって大きく異なり、すべての施設が大量の水を消費するわけではありません。
今後は電力の確保だけでなく、水資源の確保も産業立地や企業経営の重要な条件になると考えられます。
3.日本への影響について 。
日本はエネルギー資源の多くを海外に依存しているため、異常気象の影響を国内外の両方から受けます。
① 日本で考えられる5つの経営リスク
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リスク |
日本企業への影響 |
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猛暑の長期化 |
冷房費増加、電力需要 |
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豪雨・台風 |
停電、工場浸水、 |
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長雨・日照不足 |
農産物不作、 |
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海外の異常気象 |
輸入食品・ |
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AIデータ |
一部地域での |
特に日本では、海外のエネルギー価格が上昇した際に、円安が重なると輸入コストがさらに増える可能性があります。
ただし、異常気象が発生すれば必ず日本の電気代が上昇するというわけではありません。実際の料金は燃料価格、為替、発電構成、再生可能エネルギーの発電量、契約条件などによって決まります。
② 影響が大きいと考えられる業種
・製造業・金属加工業
設備の冷却、空調、機械稼働、停電による生産停止
・介護施設・老人ホーム
24時間空調、入居者の安全確保、非常用電源
・食品加工・スーパー
冷蔵・冷凍費、食材高騰、停電による食品廃棄
・ホテル・商業施設
大規模空調、冷暖房需要、災害時の営業継続
これらの業種は、電気代の削減効果だけでなく、停電時の損失回避や事業継続の面でも検討価値が高いと考えられます。
4.中小企業の対応について
中小企業が取り組むべきことは、単なる節電ではありません。「電気代を削減する」「電力価格の変動に備える」「停電しても事業を継続する」という3つの対策を同時に考えることが重要です。
① 中小企業が実行すべき5つの対策
・対策1:電気料金契約の見直し
直近12か月分の電気料金を分析し、現在の契約と他社プランを比較します。年間の総額だけでなく、市場価格高騰時のリスクも検証します。
・対策2:空調設備の効率改善
フィルター清掃、設定温度、運転時間、老朽化設備の更新を検討します。空調負荷が大きい施設では、特に効果が期待できます。
・対策3:太陽光発電の導入
昼間に使用する電力の一部を自家発電で賄い、購入電力量を削減します。屋根の条件や自家消費率、投資回収期間を確認します。
・対策4:蓄電池の活用
電力価格の安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電する方法や、ピーク電力の抑制を検討します。充放電損失や設備費も考慮しま す。
・対策5:BCP(事業継続計画)の整備
停電時に守るべき設備を決め、非常用発電機や蓄電池、燃料・水の備蓄、復旧手順を整えます。
② 電気代が10%上がった場合の経営への影響
例えば、年間の電気代が1,200万円の企業を考えてみます。
・年間電気代のシミュレーション(仮定)
現在の年間電気代 1,200万円
10%上昇後 1,320万円
年間の追加負担 +120万円
販売価格に転嫁できなければ、利益を120万円押し下げる計算です。
仮に売上高営業利益率が5%であれば、120万円の利益減少を売上増加だけで補うには、同じ利益率を前提として約2,400万円の追加売上が必要になります。逆に、電気代を年間120万円削減できれば、他の条件が変わらない限り、その金額が利益改善につながります。中小企業にとって、電気代の見直しは売上拡大と並ぶ重要な経営改善策です。
5.アドバンス・キド株式会社の提案
これからは、「異常気象の時代、電気代削減から始める企業の経営防衛」が提案のテーマになります。アドバンス・キド株式会社は、従来の電力会社切り替えによる電気代削減を入口として、今後は企業の電力使用方法そのものを見直す提案へ発展させることが重要だと考えます。
① 電力会社の切り替えから総合的な電力対策へ
企業の利益改善 + 電力リスクの低減 + 事業継続で考えてます。
STEP 1 電気代の無料診断
:直近12か月分の請求書・使用量を確認
STEP 2 電力会社・契約プランの比較
:新電力を含む料金とリスクの比較
STEP 3 空調・省エネ
:使用量削減
STEP 4 太陽光・蓄電池
:電力の自家活用
STEP 5 BCP対策
:停電への備え
② 新電力の活用
新電力の料金プランを活用する場合は、電気代削減の可能性に加えて、市場連動型のリスクも説明することが重要です。特に、昼間に電力を多く使う工場や商業施設と、夜間も電力を使う介護施設・ホテルでは、適した料金プランが異なります。
そのため、次の3点を比較します。
- 年間電気料金の削減見込み
- 猛暑などで市場価格が高騰した場合の追加負担
- 契約期間、解約金、料金改定条件
これにより、目先の安さだけでなく、企業が安心して利用できる電力契約を提案できます。
③ 太陽光・蓄電池との連携
今後は専門事業者との連携により、電力会社の切り替えに加えて、太陽光発電と蓄電池の組み合わせを提案する方向が考えられます。特に、昼間に太陽光発電の電気を自家消費し、余剰電力を蓄電池に貯めて夕方から夜間に利用する方法が有効な場合があります。ただし、長雨が続けば太陽光発電量は減少します。また、蓄電池は停電時に使用できるように設計・設定されていることが必要です。
設備投資の判断には、年間の削減額だけでなく、初期費用、維持管理費、設備寿命、補助金、投資回収期間を含めた検証が欠かせません。
④ 削減効果がある優先して提案したい企業
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優先対象 |
提案の入口 |
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多店舗・多拠点企業 |
拠点別の電気料金比較、一括診断 |
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高圧契約の工場 |
契約見直し、ピーク電力対策 |
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介護施設・老人ホーム |
24時間空調、非常用電源対策 |
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ホテル・商業施設 |
空調効率改善、太陽光・蓄電池 |
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食品工場・冷凍倉庫 |
冷却設備の省エネ、停電対策 |
まとめ
第一に、異常気象は物価高の原因になります。 農作物の不作、物流の混乱、設備被害などが企業の利益を圧迫します。
第二に、異常気象は電力の安定供給にも影響します。 猛暑による需要増加、熱波による発電所の出力抑制、干ばつによる水力発電の減少など、複数のリスクが存在します。
第三に、企業は電気代削減と事業継続を一体で考える必要があります。 電力会社の見直しだけでなく、省エネ、太陽光、蓄電池、非常用電源を組み合わせた対策が重要です。
異常気象は、農作物の不作による物価高だけでなく、電力供給にも影響を与えています。これからは、電気代を削減するだけでなく、電気を使い続けられる経営体質をつくる時代です。これは、アドバンス・キド株式会社の電気代削減事業を、企業の経営改善とBCPを支援する事業へ発展させるうえで、非常に重要な方向性だと考えます。
皆さん、何が起きても動じない、強い会社をつくっていきましょう
以 上

