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コラム

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電気代が値上げし続ける理由とは?高騰の要因や今後の見通し、補助金制度について解説

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 2020年ごろから、電気代が上がり続けています。「なぜこんなに高くなったのか」「いつまで続くのか」と感じている方も多いのではないでしょうか。原因は燃料価格や為替だけではありません。料金の内訳を見ると、制度上のコストが少しずつ積み上がっていることがわかります。現状を正しく把握することが、対策を考えるうえで重要です。

 本記事では、電気代が値上がりし続ける理由や高騰の原因、補助金制度についてわかりやすく解説します。

高騰の背景

 電気代の上昇は、為替や世界情勢を含む複数の要因が重なっており、それが料金に転嫁されています。3つの視点から整理します。

燃料価格の変動

 日本の電力は、約7割を火力発電が担っています。その燃料となるLNG(液化天然ガス)や石炭は、ほぼ全量を海外から輸入しています。国際市場での燃料価格は、産出国の情勢や需給バランスに左右されます。2022年のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、欧州向けLNGの需要が急増して価格が高騰しました。その影響は数年が経った今も続いています。
 電力会社はこの燃料費の変動を、毎月の検針料金に上乗せする「燃料費調整制度」で対応しています。燃料が高くなった分は翌々月の請求に反映される仕組みで、購入量の多い法人ほど影響が大きく、電力会社を変えても回避しにくいコストです。どの供給元と契約するかによって、全体の負担額に差が出ます。

為替の影響

 燃料は米ドル建てで取引されます。つまり、円安が進むほど調達コストがかさむ構造になっています。2022年以降、1ドル=140〜150円台で推移する期間が続いており、輸入燃料の円換算コストを押し上げてきました。燃料の国際価格が横ばいでも、円安が続けば日本の電気代は上がります。値上がりの原因を「燃料費だけ」と捉えていると、この部分が見落とされがちです。

世界情勢の混乱

 エネルギー市場の不安定化は、地域紛争や政治的な摩擦をきっかけに繰り返し起きています。ロシア・ウクライナ間の紛争は欧州のLNG調達ルートを大きく変え、日本の調達競争にも直接影響しました。
 
 現在も価格を押し上げている主な要因は以下のとおりです。

  • ロシア・ウクライナ紛争:欧州のLNG需要増加が日本の調達コストに波及
  • 中東情勢の緊張:原油価格の上昇が発電コストに直結
  • 地政学リスクの長期化:短期収束が見込めず、価格の高止まりが続く

 こうしたリスクは突発的に発生するため、価格予測を立てにくいのが実情です。

料金内訳の変化

 毎月の電気代は、単一の料金ではなく複数の項目の合算です。近年、そのなかの3つの費目が上昇傾向を強めており、法人の負担を押し上げています。何が変わっているのかを見ていきましょう。

賦課金の推移

 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及を支えるため、電気使用量に応じて全需要家が負担する費用です。電力会社を変えても単価は全国一律で、毎年改定されます。

 2025年度の単価は1kWhあたり3.98円でしたが、2026年度は4.18円に引き上げられています。月間使用量が10万kWhに上る高圧契約の法人であれば、この単価上昇だけで年間で20万円以上の負担増になります。
 2012年度の0.22円から約15年で約19倍に拡大しており、使用量の多い法人ほど影響は大きく、今後も単価は上昇傾向が続く見通しです。制度上、需要家側で単価を下げる手段はありません。使用量を減らすか、減免制度(年間100万kWh以上が対象)を活用するかが現実的な選択肢です。

託送料の改定

 託送料は、発電所から消費地まで電気を届ける送配電網の維持・管理にかかる費用です。電気料金全体の約3〜4割を占める固定コストとして位置づけられています。
 2024年に送配電会社が料金体系を見直し、一部地域では1kWhあたり数円規模の負担増となりました。老朽化したインフラの更新費用は今後も積み上がる見通しであり、料金水準は中長期的に上昇傾向を維持すると考えられています。

容量拠出金の発生

 容量拠出金は、将来の電力需要に備えて安定した供給力(kW)を確保するための費用です。2024年度から本格的に需要家負担として転嫁されるようになりました。1kWhあたりの金額は数十銭〜1円程度ですが、使用量が大きい法人では無視できない水準になります。再エネ賦課金や託送料も相まって、固定コスト全体が増加しています。

今後の見通し

 政府補助の終了と市場連動の強化が重なり、当面の電気代は高い水準が続くと予測されています。先を見据えたコスト管理に向け、3つの動向を紹介します。

政府支援の終了

 2023年から断続的に実施されてきた「電気・ガス料金負担軽減支援事業」が、2026年3月使用分をもって終了しました。この制度では1kWhあたり最大4.5円の値引きが提供されており、使用量が多い事業者ほど恩恵を受けていました。終了後の2026年4月以降、新たな支援策は現時点で発表されておらず、補助なしの料金水準が実質的な基準となりました。請求書を見て「急に高くなった」と感じた法人があれば、この影響を受けている可能性が高いです。

市場連動の加速

 東京電力エナジーパートナーは2026年4月から、法人向けの高圧・特別高圧料金メニューを見直しました。卸電力市場(JEPX:日本卸電力取引所)の価格変動を毎月の請求に反映する設計に移行しています。
 市場連動型プランでは、スポット価格が安定している時期はコストを抑えやすい反面、需給が逼迫した局面では請求額が大幅に跳ね上がるリスクがあります。固定型と市場連動型のどちらが自社に合うかは、使用パターンと価格変動への許容度で判断することになります。

負担額の増加

 燃料費調整・再エネ賦課金・容量拠出金・託送料がそれぞれ上昇傾向が続いており、電気料金は2028年ごろまで高止まりが続くと複数のエネルギー調査機関が予測しています。
 月間使用量400kWhの需要家モデルでは、再エネ賦課金の単価引き上げだけで年間約1,000円の負担増になるとの試算があります。法人の消費量はこの数倍〜数十倍になるため、放置すると利益率の圧迫が続くことになります。

 料金上昇の主な要因を整理すると、次のとおりです。

  • 再エネ賦課金:2030年に向けて年4円/kWh前後で推移する見込み
  • 政府補助:2026年4月以降の継続策は未定
  • 市場変動:地政学リスク次第でスポット価格が短期急騰する可能性

 現状の請求額を前提に経営計画を組むと、あとから大きな誤差が生じる可能性があります。

支出抑制の具体策

 コスト削減の手段は、契約の見直しから設備投資まで幅広くあります。ここでは、効果の高い3つのアプローチを紹介します。

供給元の変更

 新電力への切り替えは、比較的すぐに着手できる方法です。電力量料金の単価が大手電力会社より割安なプランは多く、高圧契約では年間数十万円規模の差が出る事例もあります。
 ただし、単価の安さだけで選ぶのは注意が必要です。燃料費調整に上限が設定されていないプランは、燃料価格が急騰した局面で請求額が想定を超えることがあります。
 電力量料金の単価は月間使用量を掛け合わせて年間ベースで比べる、解約時の違約金や最低利用期間も事前に確認する、という2点を押さえたうえで検討しましょう。

ピーク時の分散

 高圧契約の法人には「デマンド料金」が設定されており、月内の最大需要電力(kW)が基本料金に影響します。電力を使う時間帯を分散させることで、この基本料金を引き下げられます。
 手法は2種類です。ピークシフトは需要の少ない時間帯に大型機器を稼働させる方法、ピークカットは空調・照明の出力を絞ってデマンド値を抑える方法です。自社の稼働パターンに合わせて選びます。
 スマートメーターの15分単位データを確認すると、使用量が集中している時間帯を把握できます。その時間帯を重点的に対処することで、デマンド値を効率よく下げられます。デマンドレスポンス(DR)制度と組み合わせると、削減幅はさらに広がります。
 まずは自社の使用量データを確認し、ピークが生じている時間帯を特定することから始めるとよいでしょう。

設備の刷新

 古くなった空調・照明・受変電設備を省エネ型に更新することで、消費電力量そのものを減らすことができます。料金単価の上昇が続く状況では、使用量を抑えることが効果的です。
 自家消費型の太陽光発電設備も選択肢のひとつです。発電した電力を施設内で直接使うことで購入電力量を減らし、再エネ賦課金の負担も使用量に応じて軽減されます。省エネ改修や太陽光設備の導入には、経済産業省・環境省が提供する補助金制度を活用できるケースがあります。
 設備更新を検討する際の判断ポイントは次のとおりです。

  • 投資回収期間の試算:電気代単価と削減見込み量をもとに計算
  • 補助金の対象確認:省エネ法・建築物省エネ法に関連した支援制度を調査
  • 優先順位の設定:稼働時間が長い設備から順に着手

 初期費用は発生しますが、電気代が高止まりを続ける状況では投資の回収期間が短くなる傾向があります。複数年のコスト予測と照らし合わせながら判断することをおすすめします。

まとめ

 電気代の値上がりは、燃料価格・円安・世界情勢という外部要因と、再エネ賦課金・容量拠出金・託送料という制度コストの積み上がりが重なった構造的な問題です。2026年以降は政府補助も終了しており、実質的な負担はさらに増す局面が続いています。
 対策としては「新電力への切り替え」「ピーク使用量の管理」「省エネ設備の導入」の3方向から、自社の状況に合わせて組み合わせていくことが望ましいでしょう。どれか1つで全部解決しようとするより、使用状況を起点に優先度を整理することが大切です。
 アドバンス・キドでは、低圧・高圧いずれにも対応した新電力プランのご提案を行っています。現在の使用状況をもとに、削減シミュレーションや最適プランのご案内が可能です。電気代の見直しを検討されている法人のご担当者は、お気軽にお問い合わせください。

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