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オフィスビルの電気代を安くするには?高騰の理由や節電のコツを解説

「最近、オフィスの電気代が高くなった」と感じている担当者の方は多いのではないでしょうか。世界的な燃料価格の上昇などを背景に、オフィスビルの維持費は以前よりも膨らんでいます。
電気代は削れない固定費と思われがちですが、高騰の理由を正しく知り、運用の工夫や契約の見直しを行うことで、無理なくコストを抑えることができます。
本記事では、電気代が上がっている理由から、オフィスですぐにできる節電のコツ、電力会社の選び方までをわかりやすく解説します。毎月の経費を適正化するための参考にしてください。
オフィスビルの電気代が高騰している理由
オフィスビルの電気代が上昇している背景には、外部環境の変化と、法人契約特有の仕組みが大きく関係しています。
燃料コストや再エネ賦課金の増加
現在、請求額を押し上げている主な要因は、「自分たちではコントロールできないコスト」です。具体的には以下のようなコストが挙げられます。
- 燃料費調整額:火力発電に必要なLNG(液化天然ガス)や石炭の輸入価格が、情勢不安や円安の影響で高騰し、電気代に転嫁されています。
- 再エネ賦課金:再生可能エネルギー普及のために、電気を利用する全世帯・企業が負担する費用です。制度開始以降、高い水準で推移しており、月々の固定費を底上げしています。
基本料金
法人契約の基本料金は、過去1年間で「最も多く電気を使った30分間(ピーク時)」の数値で決まります。たとえ他の月に節電を頑張っても、夏場などに一度でも高いピークを作ってしまうと、その後の1年間は高い基本料金を払い続けることになります。
市場の価格変動
最近は、電力卸売市場の価格に合わせて料金が変わる「市場連動型プラン」が増えています。市場に電気が余っているときは安くなりますが、需給が逼迫(ひっぱく)して市場価格が急騰すると、それに連動して請求額が跳ね上がるケースがあります。
知っておきたいオフィスビルの電気契約と相場
電気代の対策を立てる前に、まずは自社の契約形態と消費の目安を把握しておくことが大切です。
ビルの「一括受電」とテナントごとの「個別契約」
オフィスビルの場合、電気の契約形態は大きく分けて2つのパターンがあります。
- 一括受電(ビルオーナー経由)
ビル全体で一つの大きな契約を結び、各テナントへ電気を分配する形態です。この場合、個別のテナントが自由に電力会社を選ぶことは難しく、ビル側が決めた料金単価に従うことになります。 - 個別契約
テナントごとに電力会社と直接契約を結ぶ形態です。この場合は、自社の判断でプランの変更や電力会社の切り替えが可能です。
まずは自社の検針票(請求書)がどこから届いているかを確認しましょう。電力会社名であれば個別契約、ビル管理会社名であれば一括受電の可能性が高いです。
規模別の平均相場
自社の電気代が「高いのか、それとも標準的なのか」を判断するための目安をご紹介します。オフィスの規模や業種にもよりますが、一般的には以下の金額が月額の目安とされています。
- 小規模オフィス(~30坪程度):数万円 〜 10万円前後
- 中規模オフィス(30~100坪程度):10万円 〜 30万円前後
- 大規模オフィス(100坪以上):50万円以上
特に専門サービス業や広告業界など、夜間まで稼働が多いオフィスやサーバーを常時稼働させている場合は、上記の相場よりも高くなる傾向があります。
電力消費の約6割を占める空調と照明
オフィスで使われる電気の内訳を見ると、その大部分が空調(エアコン)と照明で占められています。
- 空調:約45〜50%
- 照明:約20〜25%
- OA機器(パソコン等):約10〜15%
つまり、電気代を効率よく安くするためには、この空調と照明の2点に絞って対策を講じるのが最も近道です。逆に言えば、それ以外の細かな節電を行うよりも、この2つの運用を見直す方が圧倒的に大きな効果が得られます。
今日から取り組めるオフィスの電気代削減方法
電力消費の多くを占める空調と照明を中心に、すぐに実践できる具体的な方法を紹介します。
空調のメンテナンスと設定温度の見直し
オフィスで最も電力を消費する空調は、少しの工夫で大きな削減効果が得られます。
- フィルター清掃の習慣化
フィルターが目詰まりすると、空気を吸い込む際により多くのパワーが必要になり、消費電力が増大します。月1〜2回の清掃を行うだけで、冷暖房効率が大幅に向上し、数%〜10%程度の節電につながることもあります。 - 「28度・20度」を基準にする
環境省が推奨するように、夏場は室温28度、冬場は20度を目安に設定するのが理想的です。設定温度を1度変えるだけでも、約10〜13%の消費電力削減が見込めます。 - サーキュレーターの活用
暖かい空気は天井付近に、冷たい空気は足元に滞留しやすい性質があります。そのため、サーキュレーターを活用して室内の空気を循環させれば、エアコンの設定温度を過度に調整することなく、部屋全体を快適な温度に保つことができます。
照明のLED化と不要なエリアの間引き
照明は空調に次ぐ電力消費源ですが、対策の効果が見えやすい部分でもあります。
- LEDへの切り替え
従来の蛍光灯に比べ、LEDは消費電力が半分以下になります。初期投資はかかりますが、寿命が長く交換頻度も減るため、トータルのコストパフォーマンスは非常に高いです。 - 不要なエリアの「間引き」と消灯
窓際の席など外光が十分入る場所は、照明の一部を抜く(間引きする)ことで照度を落とさずに節電できます。また、会議室や休憩室など、使用していない場所の消灯をルール化するだけでも積み重なれば大きな差になります。
OA機器の省エネ設定と働き方の工夫
一台あたりの消費電力は小さくても、台数が多いオフィスでは無視できないのがOA機器です。
- スリープモードの活用
離席時や長時間使用しない時間帯は、自動的にスリープモードへ移行するよう設定を徹底しましょう。 - 「ノー残業デー」や「エリア消灯」
一部の人が残業することでフロア全体の照明や空調を稼働させるのは非常に非効率です。「この時間は消灯する」というルールを設けたり、残業する際は特定のエリアに集まって作業したりといった、働き方の工夫も電気代を抑えられます。
失敗しない電力会社の選び方
運用の工夫で節電に努めたら、最後は電力会社そのものの見直しです。安さだけで選ぶのではなく、ビジネスを安定させる視点が欠かせません。
安定した電力供給が見込めるか
新電力へ切り替える際に最も多い不安が「停電しやすくなるのでは?」「電気が足りなくなるのでは?」という点です。しかし、実際にはどの会社を選んでも、送電網自体は東京電力などの地域電力と同じものを使うため、電気の品質や安定性は変わりません。
注目すべきは、万が一その会社が事業撤退などを検討した際の「バックアップ体制」や、これまでの「供給実績」です。企業のインフラとして信頼できるパートナーかどうかを見極めましょう。
価格高騰への対策の有無
最近では「市場連動型」といって、電力の取引価格に応じて料金が激しく変動するプランでトラブルになるケースが増えています。 オフィス運営においては、毎月のコストが予測できないことは大きなリスクです。
固定単価のプランがあるか、あるいは価格高騰時の上限設定や調整の仕組みが明確かなど、経営の安定性を守れるプラン選びが重要です。
削減したコストの活用まで提案できる
コストを削減することで、会社にとって「もっと価値のあるもの」に充てることも出来るようになります。例えば、電気代を年間30%削減できた場合、その浮いた資金を古くなったPCの買い替えや社員のスキルアップ研修、新しい集客のための広告費などに再投資することができます。
ただ安く売るだけでなく、お客様の使用状況を分析し、削減した分を「どう成長に役立てるか」まで一緒に考えてくれるパートナーを選びましょう。削減コストを事業成長に結びつける視点を持つことで、コスト削減は本当の意味での経営戦略に変わります。
まとめ:電気代の削減は、日々の運用と契約の見直しから
オフィスビルの電気代削減は、現場でのこまめな節電と、経営レベルでの電力プランの見直しなどの対策が不可欠です。
まずは自社の契約内容を確認し、無理のない範囲で運用を改善してみましょう。もし、より大きな削減効果を目指すのであれば、専門家によるプランの見直しも有効な手段です。
当社では、お客様の使用状況に合わせ、低圧・高圧問わず年間最大30%の削減を目指せる最適なプランをご提案しています。単なるコストカットに留まらず、削減した資金を事業成長へ活かすための利活用案も併せてご案内可能です。

