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デマンド監視装置とは?主な機能や種類、電気代を抑える活用法を解説

高圧受電の施設では、使用電力のピークを抑えることで、基本料金のもとになる契約電力を下げられます。その手段として名前が挙がるのがデマンド監視装置ですが、機能や設置の方法は機種によってさまざまです。どの機能が削減に結びつくのかが見えないまま選ぶと、導入後の運用に迷うこともあります。装置の機能と使い方を順に理解することで、自社に合う機種を選び、導入後の運用まで見通せます。
本記事では、デマンド監視装置について、主な機能や種類、電気代を抑える活用法まで解説します。
デマンド監視装置とは
デマンド監視装置を使うと、電力会社の請求を待たずに施設側でデマンド値を把握できます。まずは装置の役割と普及の背景について見てみましょう。
デマンド値を計測・監視する装置
デマンド監視装置は、施設のデマンド値を常時計測し、目標値と比べて監視する装置です。デマンド値は30分ごとの平均使用電力で、契約電力500kW未満の高圧契約(実量制)では、当月を含む過去12か月の最大値が契約電力になります。電力会社のメーターから出るパルス信号を受け取る機種では、現在のデマンド値や当日の最大値を表示します。検針票では月に1回しか読み取れなかった数値を、施設内で随時見られるようになります。
目標値の超過を予測して知らせる仕組み
監視装置は、30分の区間の途中で区間終了時のデマンド値を予測し、目標値を超えそうな時点で知らせます。それまでに使った電力量から、同じペースで使い続けた際の平均値を計算します。区間内の使用電力量が目標を超えてしまうと、残りの時間で設備を止めても、その区間のデマンド値は目標を上回ります。超過する前に知らせることで、担当者が設備を止めて平均値を下げる余裕が生まれます。
導入が広がる背景
導入が広がる背景には、基本料金を運用で下げられる制度があります。実量制の契約電力は過去の最大デマンド値で決まり、設備を入れ替えずに、ピークを抑えるだけで基本料金に差が出ます。あわせてスマートメーター化が進み、契約や設備によっては、Bルート(スマートメーターから施設側の機器へデータを送る経路)や電力会社のWebサービスで30分ごとのデータを確認できます。電力需給がひっ迫した際の節電要請も、ピークを抑える体制づくりのきっかけになっています。
デマンド監視装置の主な機能
デマンド監視装置の機能は、ピークの超過を知らせるものと、使用電力を記録して対策に生かすものがあり、どちらを重視するかで選ぶ機種も変わります。ここでは、機能ごとの役割を解説します。
目標値の超過を知らせる警報機能
警報機能は、目標値の超過が予測された時点で担当者に知らせる機能です。通知の方法には、本体のブザーや施設内の表示灯、スマートフォンへのメールなどがあります。警報の段階を複数設定できる機種では、早めの注意と、すぐに設備を止める段階を分けて知らせます。表示灯を目につく場所に置くと、担当者が席を外している間も周囲の従業員が気づけます。
使用電力の履歴を記録・表示する機能
記録機能は、30分ごとのデマンド値を蓄積し、日・月・年の単位でグラフや表に表示します。日ごとのグラフでは、ピークが毎日同じ時間帯に出ているかを読み取れます。月や年の単位で並べると、最大デマンド値を記録しやすい季節や前年からの増減が見えてきます。蓄積した記録は、目標値の設定や電力契約を見直す際の根拠になります。
設備・系統ごとの使用量を把握する機能
系統ごとの計測機能を使うと、ピークの原因となっている設備を特定できます。分電盤の回路に電力計測用のセンサーや計測器を取り付け、空調や照明、生産設備などの系統別に使用電力を計測します。施設全体のデマンド値だけでは、ピークが空調によるものか生産設備によるものかを判別できません。系統ごとの記録があると、警報が出た際に止める設備を根拠をもって選べます。
デマンド監視装置の種類と選び方
デマンド監視装置は設置や通信の方法によって工事の範囲が変わり、導入費用にも差が生まれます。機種を選ぶ際の目安を、費用の手当てまで含めて解説します。
設置方式・通信方式による違い
設置方式と通信方式を選ぶ段階で、導入時に必要な工事の規模がおおよそ決まります。監視装置の多くは、電力会社のメーターに取り付けたパルス検出器から信号を受け取ります。パルス信号を取り出す際は地域の一般送配電事業者への事前の申し込みを要するため、工事の日程に組み込んでおきます。
機器間の通信方式とデータの管理形態は、以下のとおりです。
- 有線方式:本体と表示器を通信線で結ぶ通信方式
- 無線方式:本体と表示器を無線で結ぶ通信方式
- オンプレミス型:計測データを施設内で保管する管理形態
- クラウド型:計測データを外部のサーバーで保管する管理形態
無線方式は配線工事を抑えられ、携帯回線などでデータを送るクラウド型では、複数拠点の記録を1つの画面で管理できます。
導入費用の目安
導入費用は、本体価格に工事費と通信費を加えた総額で見積もります。本体の価格は、警報の段階数や系統別の計測ができるかどうかで変わります。工事費は、設置場所から事務所までの配線の距離が長いほど増えます。クラウド型では、初期費用とは別に月額の利用料がかかるのが一般的です。金額は個別の見積もりで決まり、複数社を同じ条件で比べることで、機能に見合った費用かを判断できます。
補助金・リースの活用
初期費用の負担は、補助金とリースを使って抑えられます。国の省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金には、EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入を支援する区分があります。ただし、対象にはEMSによる制御や運用改善などの要件があり、監視装置単体で補助を受けられるとは限りません。補助率や要件は公募ごとに異なり、検討時点の最新の公募要領で調べましょう。補助金を使わないときも、リースを選ぶことで導入初年度の支出を平準化できます。
デマンド監視装置を電気代削減に活かす方法
デマンド監視装置で電気代を下げるには、装置が出す警報と記録を、日々の運用と電力契約の見直しに結びつける工夫が要ります。ここでは、電気代の削減につなげる具体的な方法を解説します。
目標デマンド値を設定する
目標デマンド値は、当月を含む過去12か月の最大デマンド値より低い値を目安に、設備構成や操業の条件を踏まえて決めます。最大値を記録した時間帯と、そのとき動いていた設備を洗い出し、止められる設備の消費電力の分だけ目標を下げます。最初から大きく下げると警報が増えて現場の負担となるため、目標値は徐々に引き下げましょう。契約電力が下がるのは、実際の最大デマンド値を抑えたうえで、過去の最大値を記録した月が12か月の算定対象から外れた時点です。
警報が出たときの対応手順を決めておく
警報が出た際は、誰がどの設備を止めるかを事前に一覧にしておきます。一覧には、設備ごとの消費電力と止める順番、止めてよい時間を書き込みます。最初の警報では空調の設定温度を変え、次の警報で一部の空調を止めるといった形で、段階的に負荷を減らします。手順書を表示灯の近くに掲示しておくと、警報から操作までの時間が縮まります。
計測データをもとに電力契約を見直す
蓄積した計測データは、電力契約を見直す根拠として使えます。実量制では、最大デマンド値が下がった実績が契約電力へ自動的に反映されます。協議制では、計測の記録が更新時の協議材料になります。新電力を含む電力会社へ見積もりを依頼する際も、30分ごとの記録があれば使用状況を具体的に伝えられ、単価の比較に生かせます。
まとめ
デマンド監視装置は、30分ごとのデマンド値を計測し、目標値の超過が予測された時点で警報を出す装置です。記録や系統別の計測を使うとピークを生む時間帯と設備が特定でき、方式の選び方で工事の範囲と費用が変わります。
導入後は、過去の最大値をもとに目標値を決め、警報が出た際の手順を現場で共有します。装置を置いて終わりにせず、記録をもとに運用と電力契約を見直しましょう。
アドバンス・キドでは、新電力を活用した電気料金の削減をご提案しています。高圧・低圧いずれの契約にも対応しておりますので、デマンド監視で集めたデータをもとにした料金の見直しも、お気軽にご相談ください。

