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コラム

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デマンドコントローラーで電気料金は下がる?仕組みや監視装置との違い、導入費用を解説

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 デマンドコントローラーは、使用電力のピークを予測して設備を自動で制御し、基本料金の引き下げを目的に導入される装置です。高圧受電の実量制では30分間の最大デマンド値が過去12か月の基本料金に反映されるため、ピークを抑え続けることで電気料金の削減につながります。名称が似たデマンド監視装置とは役割が異なり、制御用の配線の有無や導入費用にも差があります。
 本記事では、デマンドコントローラーについて、仕組みや監視装置との違い、導入費用まで解説します。

デマンドコントローラーとは

 デマンドコントローラーは基本料金を下げることに特化した装置で、導入前に削減額の見通しを立てておくと、費用と比べて判断できます。装置の役割から削減額の見積もり方までを解説します。

最大デマンド値を自動で抑える制御装置

 デマンドコントローラーは、最大デマンド値が目標値を超えないよう設備を自動で制御する装置です。電力会社のメーターから出るパルス信号(使用電力量に応じた電気信号)を受け取り、30分ごとのデマンド値を追います。値が目標に近づくと、登録した空調などの停止や出力の抑制によって使用電力を下げます。人の判断を待たない分、夜間や休日も同じ基準で運用できます。

デマンド値を抑えると基本料金が下がる仕組み

 基本料金が下がるのは、実量制の契約電力が過去12か月の最大デマンド値で決まるためです。コントローラーで毎月のピークを目標値以下に保つと、過去の高い記録が12か月の枠から外れた時点で契約電力が下がります。導入した月にすぐ下がるとは限らず、効果が出るまでに最長で1年かかります。過去の最大値を記録した月から逆算して導入の時期を決めると、効果の出る時期を見通せます。

年間削減額の試算方法

 年間の削減額は、下げる契約電力×基本料金単価×力率による調整×12か月で試算します。下げられる幅は、過去1年のデマンド値の記録から、ピークを作る設備と止められる時間を洗い出して見積もります。

 数値の例は次のとおりです。

  • 下げる契約電力:300kWから270kWへの30kW
  • 基本料金単価:仮に置いた1kWあたり1,800円
  • 力率による調整:力率90%の月の係数0.95

 この条件では、30kW×1,800円×0.95で月51,300円、12か月で年間615,600円の削減になります。導入費をこの年間削減額で割ると、何年で費用を回収できるかの目安が出せます。

デマンドコントローラーの仕組み

 デマンドコントローラーの内部処理は、予測・警報・制御の3段階で進みます。各段階の働きを順に解説します。

30分先までの使用電力を予測する

 コントローラーは、30分の区間が終わる時点のデマンド値を区間の途中から予測し続けます。直近の使用電力の増え方から、そのペースが続いた際の区間終了時の平均値を計算します。前半に使用電力が増えた区間も、後半で使用を減らすことで平均値は目標内に収まります。予測をもとに動くことで、実際に目標を超える前に手を打てます。

目標値に近づくと警報を出す

 予測値が目標値に近づくと、コントローラーはブザーや表示灯、メールで警報を出します。警報を段階に分けて設定できる機種が多く、注意を促す段階と、超過が避けられない段階を区別して知らせることが可能です。目標値の初期設定は、現在の契約電力より低い値が目安です。運用しながら段階的に下げていき、低くしすぎて警報と制御が頻繁に働くと、空調の停止回数が増える点には注意が要ります。

優先順位に沿って設備を自動で制御する

 警報の後も値の上昇が続くと、コントローラーは優先順位の低い設備から順に制御を始めます。空調の場合、制御の方法は運転の停止だけではありません。設定温度の変更や出力を絞る制御も選べます。複数の空調を順番に止めるローテーション制御であれば、1台あたりの停止時間が短く、室温の変化も小さく抑えられるのが利点です。次の区間に入って余裕が生まれると、止めた設備は自動で運転を再開します。

デマンド監視装置との違い

 デマンド監視装置とデマンドコントローラーは計測と予測の機能が共通しており、名称も似ていることから混同されやすい機器です。ここでは、両者の役割の差と、施設に合わせた選び方を紹介します。

監視装置は「知らせる」、コントローラーは「止める」

 両者の違いは、警報の後に設備を止めるのが人か装置かにあります。監視装置は予測と警報までを担い、設備を止める操作は担当者が行います。コントローラーは制御信号を出力し、登録した設備を自動で止めます。監視装置は制御用の配線が不要な分、導入費が安く済む半面、担当者が警報に気づかない時間帯には操作が遅れることがあります。

施設の規模や設備構成に合う選び方

 選び方の目安は、警報が出た際に停止できる設備と、操作する人員がそろっているかです。空調の台数が少なく、担当者がすぐに操作できる店舗や事務所であれば、監視装置で十分に運用できます。一方、空調が数十台に及ぶ工場や夜間も稼働する施設では、人の操作では対応しきれない場面が増え、コントローラーが向きます。監視装置から始めて記録をため、止めてよい設備を把握したうえでコントローラーへ切り替える方法もあります。

導入費用と導入前の注意点

 デマンドコントローラーの導入費用は、本体よりも制御する設備の数と配線工事の範囲で増減します。ここでは、費用の内訳と、導入前に決めておく事項について解説します。

本体・工事費の目安とリースの活用

 導入費用は、本体価格に計測と制御のための工事費を加えた総額で考えます。工事には、パルス信号を受け取る検出器の設置や制御する設備までの配線が含まれ、制御する台数が多いほど費用が増えます。パルス信号の取り出しには、地域の送配電事業者への申し込みを要することがあります。金額は個別の見積もりで決まり、初期費用を抑えたい際は月額払いのリースも選べます。

制御する設備の選び方

 制御の対象は、止めた際に業務や安全への支障が出ない設備から選びます。空調は短時間の停止であれば室温がすぐには変わらず、ピークの大きな割合を占めることから、最初の候補になります。これに対し、生産ラインの主要設備や医療・介護の機器、防災設備は対象から外します。設備ごとの消費電力と止められる時間を一覧にし、優先順位をつけてから登録します。

快適性・生産への影響と回収期間の見極め

 導入前に見極めたいのは、削減額と現場の快適性の釣り合いです。目標値を低くするほど削減額は増えますが、空調の停止が増えて作業環境が悪くなることがあります。回収期間は導入費を年間の削減額で割って求め、機器の耐用年数より短く収まるかを判断の目安にします。導入当初は目標値を控えめに置き、記録を見ながら段階的に下げます。

デマンド制御と新電力の切り替えで電気代をさらに下げる

 デマンド制御で下げられるのは基本料金で、使った量に応じてかかる料金は別の手段で見直します。料金の区分ごとに削減の手段を取り上げます。

基本料金はデマンド制御、電力量料金は契約の見直しで下げる

 高圧の電気料金は、料金の区分ごとに下げる手段が異なります。基本料金は契約電力で決まり、デマンド制御でピークを抑えることが引き下げの手段です。これに対し、電力量料金は使った電力量に単価を掛けて計算されます。ピークを下げた月も、使用量が同じであれば金額はほとんど変わりません。電力量料金を下げる方法として残るのは、単価そのものの見直しです。

新電力への切り替えで単価を見直す

 電力量料金の単価は、契約先を新電力に切り替えることで見直せます。電力会社ごとに単価や燃料費調整額の算定方法が異なり、使用量が同じ施設同士でも年間の請求額に差が出ます。切り替えに大がかりな工事は伴わず、電気は従来どおり地域の送配電網を通じて届きます。コントローラーで下げた契約電力は、多くの料金プランで切り替え後の基本料金にもそのまま反映されます。デマンド制御の効果を保ちながら単価を見直せることが、両者を組み合わせる強みです。比較の際は、単価が固定か市場連動かの違いや、契約期間・解約条件もあわせて調べましょう。

まとめ

 デマンドコントローラーは、30分ごとのデマンド値を予測し、目標値に近づくと優先順位に沿って設備を自動で制御する装置です。警報までを担う監視装置に対し、人の操作を待たずにピークを抑えられ、実量制の施設では基本料金の引き下げに結びつきます。
 導入を検討する際は、まず過去1年のデマンド値から下げられる契約電力を見積もり、年間の削減額を試算します。そのうえで制御する設備と目標値を決め、導入費と回収期間を比べます。電力量料金の見直しとあわせて、電気代全体の削減に取り組みましょう。
 アドバンス・キドでは、新電力を活用した電気料金の削減をご提案しています。高圧・低圧いずれの契約にも対応しておりますので、デマンド制御とあわせた電力契約の見直しも、お気軽にご相談ください。

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