1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

コラム

記事公開日

キュービクルとは?仕組みや設置が必要な施設、電気代との関係までわかりやすく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 工場や介護施設、スーパーの敷地でよく見かける金属製の箱は、キュービクルと呼ばれる受電設備です。電力会社から届く高圧の電気を、建物内で使える電圧に下げる役割を担っています。設置した後も、毎年の点検費や20年前後で訪れる機器の更新費がかかり続けるため、維持費の確保に頭を悩ませる施設も少なくありません。その負担を和らげる方法として、高圧の電気料金の契約を見直し、浮いた電気代を設備の維持に回すという考え方があります。
 本記事では、キュービクルについて、仕組みや設置が必要な施設、電気代との関係までわかりやすく解説します。

キュービクルの基礎知識

 キュービクルは、電力会社から高圧で電気を受け取る事業所に置かれます。まずは受電設備としての位置づけと、設置の対象について解説します。

高圧の電気を変圧する受電設備

 キュービクルは、電力会社から6,600Vで届く電気を、照明や空調で使う100Vや200Vに下げて施設内へ送る設備です。金属製の外箱に変圧器や遮断器などを収めた構造で、正式名称はキュービクル式高圧受電設備です。構成や性能は日本産業規格(JIS)で定められています。内部の保護機器は過電流や漏電を検知すると回路を切り離し、電気の受け入れ口と安全装置の役割を兼ねています。

低圧受電との違い

 両者の違いは、電圧を下げる設備をどちらが持つかにあります。低圧受電では、電柱上にある電力会社の変圧器で下げた電気が、そのまま施設に届きます。これに対し高圧受電では、施設側のキュービクルが電圧を下げます。電力会社の供給条件では、契約電力50kW以上が高圧での受電にあたります。電気事業法上は自家用電気工作物に区分され、保安の責任も設置者が負います。

設置が必要になる条件と施設

 キュービクルを設置するのは、同時に使う電力が大きく、高圧で受電する施設です。空調や冷凍機、生産機械が同じ時間帯に動くほど消費電力が重なり、低圧の契約では容量が足りなくなります。低圧で受電できる契約電力には上限があり、それを超える施設は高圧に切り替えたうえで、敷地内のキュービクルで電圧を下げます。延床面積の広い建物や、24時間稼働する設備を抱える事業所ほど、この条件にあてはまります。

 業種ごとの主な傾向は次のとおりです。

  • 工場:生産設備やコンプレッサーの連続運転
  • 介護施設:24時間稼働する空調と給湯機器
  • スーパー:冷凍・冷蔵ケースと照明の長時間点灯

 生産ラインの増設や建物の拡張を機に、低圧から高圧へ切り替える例も見られます。

キュービクルの主な構成機器

 キュービクルの内部では、電圧の変換や異常時の遮断を、それぞれ専用の機器が受け持っています。ここでは、主な3つの機器の役割を解説します。

電圧を下げる変圧器

 変圧器は、高圧の電気を施設で使える電圧へ変換する、キュービクルの中心となる機器です。照明やコンセントには単相、モーターや業務用空調には三相の変圧器を使い分けます。絶縁に油を使う油入変圧器が多く、難燃性を重視する建物では樹脂で巻線を固めたモールド変圧器が選ばれます。容量はkVA(キロボルトアンペア)で表し、その合計がキュービクルの大きさと価格の目安になります。

事故時に電気を遮断する遮断器・保護継電器

 短絡(ショート)や漏電が起きた際に回路を切り離すのが遮断器、異常を検知して遮断の指令を出すのが保護継電器(リレー)です。受電の入口で電気を止める方式には、真空遮断器を使うCB形と、限流ヒューズと負荷開閉器を組み合わせるPF・S形があります。日本産業規格ではPF・S形を受電設備容量300kVA以下に適用しており、規模の大きい施設ではCB形が使われます。

力率を改善する進相コンデンサ

 進相コンデンサは、力率を高め、電気を効率よく使えるようにする機器です。力率は有効電力と皮相電力の比率で、モーターを多く使う施設ほど低下する傾向があります。力率割引のある契約では85%を基準に、上回る月は基本料金が割り引かれ、下回る月は割り増しされます。負荷に合わせてコンデンサを運用することで、割増を避けられます。

キュービクルのメリット・デメリット

 キュービクルを設置すると、電気料金の水準と設備の管理体制がともに変わります。得られる利点と、設置者が負う負担について解説します。

電気料金の単価が安くなる

 高圧受電では、1kWhあたりの単価が低圧より低い料金プランが多く見られます。低圧では電力会社が電柱の変圧器で電圧を下げますが、高圧では施設が自前のキュービクルで電圧を下げます。電力会社側の設備負担が小さい分、単価も低く設定されています。ただし単価の水準は、電力会社やプランごとに異なります。高圧受電には基本料金やキュービクルの維持費もかかるため、低圧より得になるかどうかは年間の総額で判断します。

省スペースで安全性が高い

 キュービクルは受電用の機器を1つの外箱にまとめた設備で、屋上や駐車場の一角にも置けます。機器を鉄骨の架台に並べて柵で囲む開放形の受電設備に比べ、設置面積は小さく済みます。高圧の機器は金属製の外箱に収まっており、充電部に人が触れることはありません。雨水や小動物の侵入による短絡も抑えられます。工場で組み立てと検査を終えて出荷されることから、現地で組み上げる方式より品質のばらつきも小さくなります。

導入費用と保安管理の負担がかかる

 キュービクルのデメリットは、導入後も費用がかかり続ける点です。導入時には本体価格に基礎や搬入の工事費が加わり、総額は数百万円から数千万円規模になります。設置後は保安管理の責任を負い、月次・年次の点検を外部に委託する費用などが毎年発生します。年次点検では停電を伴う作業もあり、休日に作業日程を組むことが一般的です。変圧器や遮断器には20年前後の更新推奨時期もあり、採算は維持費まで含めて見積もります。

導入・運用時の注意点

 キュービクルは完成品を据え付ける設備のため、設置後の変更には費用と期間がかかります。導入前に押さえておきたいポイントと運用中の注意点を解説します。

設置スペースと搬入経路の確保

 設置場所には、本体の寸法に加えて点検や操作に要する保有距離を確保しましょう。屋外では建物との間隔もとり、第三者が立ち入れる場所では状況に応じてフェンスなどを設けます。重量が1トンを超えることも多く、屋上ではクレーンで吊り上げる位置と設置面の強度を事前に調べます。搬入経路の幅や高さが足りない現場では、外箱を分割して運び込む方法もあります。

将来の増設を見込んだ容量設計

 容量は、現在の使用量に数年先の設備増設分を加えて決めます。後から変圧器を大型化すると、外箱の増設や基礎の拡張を伴い、費用と工期が膨らみます。とはいえ、容量を大きく取りすぎると本体価格が上がり、電気を使っていない時間に生じる変圧器の損失も増えます。余裕の幅は、増設計画の確度に応じて見極めます。

保安点検と電気主任技術者の選任義務

 設置者は、電気事業法に基づいて保安規程の届出と電気主任技術者の選任を行うのが原則です。電気主任技術者は設備の保安を監督する国家資格者で、所定の要件を満たして承認を受けると、電気保安法人などへの外部委託も選べます。

 点検の主な種類は以下のとおりです。

  • 月次点検:毎月または隔月に行う外観と測定の点検
  • 年次点検:年1回を目安に停電して行う精密点検
  • 臨時点検:事故や異常の発生時に行う原因の調査

 点検の記録は、機器の更新時期を判断する材料にもなります。

キュービクルを設置している施設こそ電気料金の見直しを

 高圧受電の施設は使用量が多い分、電気料金の見直しで得られる削減額も大きくなります。見直しの考え方と、削減分の使い道について解説します。

高圧電力の基本料金が決まる仕組み

 高圧電力の基本料金は、契約電力に単価を掛け、契約によっては力率による割引・割増を反映して計算します。契約電力500kW未満の施設では実量制のプランが多く、過去12か月の最大デマンド値(30分間の平均使用電力)が契約電力になります。夏の始業時に空調が一斉に動き、1度でも高い数値を記録した月があれば、その後1年間の基本料金に反映されます。検針票の契約電力とデマンド値の推移を追うと、基本料金を下げる余地がどこにあるかが見えてきます。

新電力への切り替えで電気代を抑える

 高圧の電気は小売が自由化されており、新電力を含む複数の電力会社から契約先を選べます。送配電網は変わらず、切り替えに伴う受電設備の工事は原則として発生しません。キュービクルに手を加えることなく、契約の手続きだけで電気代を変えられます。電力会社ごとに基本料金や電力量料金の単価、燃料費調整額の算定方法が異なり、同じ使い方でも年間の請求額に差が出ます。比較の際は、単価が一定の固定型か市場連動型かの違いや、最低利用期間の有無も見ておきます。

削減分を設備の維持・更新費に充てる

 電気代の削減分は、点検委託費や将来の更新費の財源として計画に組み込めます。キュービクルは点検費が毎年かかり、主要機器の更新時にはまとまった費用を要します。こうした費用を設備予算だけでまかなおうとすると、ほかの設備投資と時期が重なることもあります。電気代の見直しで生まれた差額を毎年積み立てに回すことで、更新時の負担を平準化できます。電気代と設備費をひとつの収支として管理することで、キュービクルを使い続ける費用の見通しが立ちます。

まとめ

 キュービクルは、高圧で届く電気を施設で使える電圧に下げる受電設備です。導入時は設置スペースや将来の増設を見込んで容量を決め、運用中は保安点検の体制を整えます。設置後も点検費や機器の更新費はかかり続けることから、維持費をどう確保するかが長く使ううえでの課題になります。
 その負担を補う手段のひとつが、電気料金の見直しです。基本料金の決まり方を押さえ、新電力を含めて契約先を比べることで、工事を伴わずに電気代を下げられます。浮いた費用を点検や更新の備えに回し、キュービクルを無理なく使い続けましょう。
 アドバンス・キドでは、新電力を活用した電気料金の削減をご提案しています。高圧・低圧いずれの契約にも対応しておりますので、キュービクルのコスト対策として、電気代の見直しもお気軽にご相談ください。

アドバンス・キドの新電力はこちら

新電力に関するご相談・お問い合わせはこちら



enerugy_simyuration.png
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

サービスに関する各種お問い合わせ・資料の請求は、
各メールフォームよりご連絡ください。